[通常モード] [URL送信]
Page.5


『ぁ…ご、ごめんなさい!』

「…」

慌てて自分の口を塞いだが、何とも気まずい空気が漂ってしまっている。

うぅ…私のバカぁ…!


「…コレ、ここに運ぶんですよね」

『ぇ…あ、うん』

「…」


財前くんは拾った荷物を私に渡さず視聴覚室の中に運び入れる。

…あ!!


『ご、ごめんなさい!拾ってもらったのに運ばせちゃったりして…』

「別にええですよ。この荷物…どうせオサムちゃんに頼まれたんでしょ?」

『ぅ、うん』


「オサムちゃん人遣い荒いから…」

小声でそう言いながら机の上に荷物を降ろす。


凄い…
今私、財前くんと会話してるんだ…

財前くんを見ながら凄く感動した。


何だか今なら…
今なら言える気がする…
でも…


「荷物はこれだけっスよね。はな、オレはこれで…」

スっと私を横切り部屋から出ようとする。


だ、ダメ…
行かないで…!


[←Back][Next→]

5/17ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!