Page.5 『ぁ…ご、ごめんなさい!』 「…」 慌てて自分の口を塞いだが、何とも気まずい空気が漂ってしまっている。 うぅ…私のバカぁ…! 「…コレ、ここに運ぶんですよね」 『ぇ…あ、うん』 「…」 財前くんは拾った荷物を私に渡さず視聴覚室の中に運び入れる。 …あ!! 『ご、ごめんなさい!拾ってもらったのに運ばせちゃったりして…』 「別にええですよ。この荷物…どうせオサムちゃんに頼まれたんでしょ?」 『ぅ、うん』 「オサムちゃん人遣い荒いから…」 小声でそう言いながら机の上に荷物を降ろす。 凄い… 今私、財前くんと会話してるんだ… 財前くんを見ながら凄く感動した。 何だか今なら… 今なら言える気がする… でも… 「荷物はこれだけっスよね。はな、オレはこれで…」 スっと私を横切り部屋から出ようとする。 だ、ダメ… 行かないで…! [←Back][Next→] [戻る] |