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『…』
視聴覚室に着いたはいいものの…
両手が塞がっているので閉まっているドアを開けません。
１回下に置くのも何だか面倒くさいし…
…よし！
キョロキョロ周囲を見渡して人がいない事を確認し、足をドアに当てる。
『ん…！』
足でドアを開けるという荒業に挑戦中。
しかしツルツル滑って上手く開けない…
『ん…ん！』
も…もうちょっと…！
ガラッ
『ぇ…？』
突然部屋の内側からドアが開いた。
驚いてドアを開けた人物を見る。
その瞬間、いきなりドアが開いたことよりも驚き、手に持っていた荷物をドサッと落としてしまった。
「大丈夫っスか…？荷物落ちましたよ」
私が落とした荷物を拾ってくれてるこの男の子は紛れもなく…
『財前くん…』
「え？」
全く関わりの無い私に名前を呼ばれ、財前くんは少し驚いたような顔をする。
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