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小説
4

「なっ「うおーー!!ここが生徒会室っ?!広っ!!でかぁー!!!」」

‥‥ちなみに今の "なっ"は俺だ
言葉を遮られたと思ったら、すごい勢いで誰かが入ってきたんだが‥‥(泣)
と言うか、でかいのはお前の声だ

「おi「あーーーーーーーーー!!!!お前!!」っ!?」

また遮られた上に指さされたんだが!!何なんだ!泣くぞ!?

喉の奥が熱くなってくる。 泣く前兆だ
もう色々と限界が来ていたので眉間に力を入れて必死に我慢する

「お前!誰だっ?!すっっっげーーーカッコイイな!!!」

「・・・。」

いや、こっちがお前誰状態なんだけどな

しかし情報と一致する容姿だったのですぐに分かった
こいつはあれだ、モジャだ!
何その髪の毛?頭からきったねぇ飴とか出てきそうだな、ハハハ‥‥

「美羽が誰だと聞いているのに、無視して、更に睨みつけるなんて。全くこれだから貴方は駄目なんですよ」

「ほんとほんとー!美羽に話しかけられるなんて、すぅっごく光栄なことなんだよ?」

「‥‥駄目な、人」

思わず目を見開く
扉の方を見るといつの間にか副会長や会計、書記が立っていた

は?なんか今凄くサラッと馬鹿にされたな?
え、俺ってこいつらにそんな駄目なヤツだと思われてたのか?


‥‥あぁ、ダメだ 泣きそう
少なくとも俺はお前らのこと、凄い奴らだと思っていたし、負けない様に努力してきたつもりなんだがな

つもりじゃダメだったのか、だから見放された...?

「、ここは一般生徒は立ち入り禁止なんだが」


大丈夫か?声、震えてないか?

ちゃんと俺様会長に聞こえるか?


「五月蝿いですね。私達がいいと言ったんです。問題ありません」

「だが、「ちょっと!!なに俺のこと無視してるんだよ!!!ま、まぁ名前教えてくれたら許してやるよ!!名前なんていうんだ?!?!」」

「ほらーはやく答えなよー!美羽が質問してんじゃん!」

「‥‥。」

俺の言葉は無視か

少しの間頑張っていたら、いつか目を覚まして戻ってくるだろうという考えがさっぱりと消えてなくなった

最初から1人だったんだ。
仲間だと思われていない。

その事実が胸を締め付けたが、ここで泣くわけにはいかない


俺は会長だ。次期社長なんだ。
上に立つものが、こんな所で弱味を握られるわけにはいかない


「俺は、」

ガチャ

「おい、風紀の書類はまだか 遅いぞ。」


相良だ

「あーーーー!大悟だっ!!俺を心配してきたのか?!そうなんだろ!!」

名前呼び‥‥?
そんなに気を許しているのか、こいつに

「ッチ、おい、何でこいつがここにいるんだ。一般生徒は立入禁止だったはずだ」

「別にいいだろ!だって優人がここでお茶飲もうって言ったんだ!!」

「そうです。私が呼んだんですから、貴方が気になさらなくても結構ですよ!」

「それより聞いてくれよ!!酷いんだ!こいつ俺が名前聞いただけなのに睨んできたんだ!!」

その一言であいつの、相良の瞳が 俺を映す

あぁ、胸が痛い。
心で聴かない努力をしよう
きっと、今の俺には耐えられない

「はっ!貴様は屑だと思っていたがそこまで落ちぶれたか」


小さな、なにかが崩れる音が聞こえた気がした


よく言うぜ、お前ら風紀にだけは言われたくねぇな
あぁ、負け犬程よく吠えるって?


そう、返せばいい
これはいつもの掛け合いだ

こんな会話でも俺には相良と話せる唯一の方法
普段なら 一言一言を大切に、しっかりと耳に焼き付けた

だけど、今はダメだ

あぁ、寝不足のせいか頭が痛い

何か、言葉を返さないと

「うるせぇ、黙れ」

なんだそれは
もっと強気に、いつもの調子で 飄々としなければいけないのに

今は声を震わせないようにするのが精一杯だ

情けない
向こうで眉を潜めているあいつが見える

これ以上ここにいたら危ない
早く出ないと

俺は早く提出しなければならない書類を掴み、先程までやっていた風紀への書類を相良の肩に押し付けた


「ほらよ。言われなくても、もうとっくに出来てんだよクソ風紀が」

大丈夫、いつもの調子だ

早く、はやくはやく
しかし、こんな時でも 足取りは堂々と、動揺を感じさせないように

「あっお前!!まだ名前聞いてないぞ!!」

バタン

俺は静かに その場から逃げたのだった

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