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小説
どうしてこうなった

と言うか、今はそんなことどうでもいい!
目の前の書類たちを早く片付けなければならない

今、生徒会室にいるのは俺1人だ
前は副会長や会計、書記がいたんだが、そいつらはもうここに来ることはないんだろう

こうなってしまったのは、俺が正式に生徒会長と認められて、ようやく仕事にもなれてきた5月の事だった

季節外れの転校生、 天道 美羽〈てんどう みう〉がやって来て、そいつがこの学園の人気者たちを次々と惚れさせていってしまい(勿論副会長たちもだ)学園が荒れに荒れているのだ

またその転校生の見た目は、美しいのと全く逆で
ボサボサの、明らかそれカツラだろ!と思うようなモジャモジャ髪の毛に、前見えてるのか?と心配になるぐらいの瓶底メガネ‥‥らしいのだ
ちなみに俺は会ったら泣きそうなので会っていない

人気者には親衛隊という組織がついており、愛しい人をモジャモジャ(もうモジャでいいか)に取られたことに怒り狂った親衛隊は、モジャを制裁しようとするのだが‥‥

モジャが物を壊すわ人を殴るわ授業は出ないわと、もう本当に人間なのかと疑いたくなるような野生児だった

そんな問題が起きると風紀が動かざるを得ないので、相良の機嫌は悪くなるし、副会長たちは仕事をしないしでもう最悪だった

しかもイケメンキラーなモジャは相良を狙っているらしい
確かに?物凄いイケメンな相良に惚れるのは分からんでもない
しかし、迷惑をかけるなんて何事だ!
俺は嫌われていて話すのでさえ一苦労だというのに!!

‥‥はぁ

唯一救いだったのは、相良率いる風紀委員はモジャに惚れることはなく、むしろ邪険にしている事だ
仕事もちゃんとしているし、言うことなしだ

まぁそんなこんなで、生徒会で仕事をしているのは俺だけというわけなんだ

一応俺にも親衛隊があったんだけど、なんか変な噂が流れているらしく

「会長には失望しました。本日から生徒会長親衛隊は解散することになりましたのでご了承下さい。」

とか言われた

いや、ぶっちゃけ泣きそうだったよ?めっちゃ泣きそうだったけど、親衛隊長がさっさと帰っていったからバレなかった

理不尽にも程があると思う!失望って何?そんなの勝手に期待したのはそっちだろうが!
あとどんな噂かは知らねぇが、自分の目で見てから判断しろよ‥‥うぅ

まぁそんなこんなで独りぼっちになった俺は
たまりに貯まった仕事をしまくり、寝不足やら寂しいやらで限界が来ようとしていた


「はぁ、今何時だ?」

時計を見ると、ちょうど放課後になるところだった

俺達、生徒会役員は授業免除という特権があって
こうして授業を受けなくても怒られないのだ

テストでいい点さえ取れればいいんだが、今回はそれも難しそうだ

良かったことに教科書を見れば大体のことが分かるから今までは心配いらなかったんだ
でも今回は教科書を見る暇もないくらい忙しくて、正直焦っている

「とにかく早くこの書類を終わらせないと、ってこれ風紀に渡すやつじゃねぇか!早く持っていかねぇと」

ガチャバターーーン!!!!!

俺が立ち上がった瞬間静かだった生徒会室の扉が壊れる勢いで開いた

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