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長編小説
3.ペットボトルに
仕事中に尿意を催した基樹は、周囲を見回した。
基樹の職場では、それぞれのデスクを仕切り板で区切ってあり、仕事内容を見られないようにしている。
とはいえ、完全な個室ではなく、仕切りは肩の位置までなので、俯きさえしなければ、前や左右のデスクの人間とは顔を合わせられる。

ただし、顔を合わせることはできるが、その手元、特に下半身など、見られることはまずなかった。

とはいえ、背後には通路があるだけで、仕切りとなるものは何もないため、そこから見られればアウトだが。

基樹は椅子の背に背広をかけて、少しでも見えないようにした。
それから、カバンの中に入れておいた、空っぽのペットボトルを取り出す。

今日は、このペットボトルに排尿する予定だった。
そのため、空いたペットボトルを捨てずに持っていたのだ。

基樹は少し緊張しながらズボンのジッパーを下ろして、性器を外に出した。
職場で性器を出すなど、当然初めてのことで、基樹の心臓はうるさいくらいに高鳴っている。
しかも、性器を出すだけでなく、ここで小便をするのだ。

もう一度周囲を確認してから、基樹は性器の先端へとペットボトルをあてがった。
これで、下腹に込めている力を抜けば、すぐに排尿できる。

そう思いながら、基樹は正面のデスクで仕事をしている同僚へと声をかけた。

「なあ、村瀬(ムラセ)。昼飯一緒に出ないか?イイ店を見つけたんだ」
「へえ。何の店だよ?」
「定食屋なんだけどさ、ラーメンがうまい」
「何で定食屋でラーメンなんだよ」

基樹の言葉に答える同僚の村瀬が、基樹の顔を見ながら笑っている。
その視線を感じながら、基樹はペットボトルの中に向かって、シャアッと勢いよく小便を吐き出した。

ジョボジョボと小さな音を立てながら、小便はペットボトルの底へと溜まって行く。

「安くてうまい、いい店なんだよ。行かないか?」
「何か興味出て来た。仕方ねぇな、行ってやるよ」
「言っとくけど、割り勘だからな。おごるなんて、これっぽっちも言ってねーぞ」
「はいはい。ケチだなー、倉橋クンは」
「給料日前は誰でもケチになるだろ」

ぽんぽんと弾む会話の最中、基樹はずっと、ペットボトルに排尿している。
そのことを知っているのは、基樹だけだ。
目の前でしゃべっている村瀬は、そんなことに気づいていない。

そう思うとますます基樹は興奮して来て、勃起しそうになった。
が、さすがにこんなところでオナニーまではできない。

基樹は小便を終えた性器を慌ててズボンの中にしまい、たっぷりと小便の詰まったペットボトルに蓋をした。

温かい黄ばんだ液体に満たされたペットボトルを見ると、思わず笑みが浮かび上がるのを止められない。

さあ、次は一体どこで、どんな風にしてみようか。

シャワーを浴びながら、というのも面白いかも知れない。


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