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長編小説
5.意外な格好で
大概のことには慣らされてしまった亨だったが、まだまだ甘かったらしい。

ここ最近まれに見る笑顔を振りまいて、真がずいっと亨に迫って来た。
その手には、明らかに女物とわかる服が握られている。

「兄貴のために大枚はいたんだからさ。着てみせてよ」

恩着せがましく言われても、感謝の念などこれっぽっちもわいてこない。
ありがた迷惑とはまさにこのことだと、亨は内心呆れ顔になった。

けれど、真の言い分に逆らい続けることなどできず、泣く泣くその衣装を手に取った。

どうやらゴスロリというファッションらしいそれは、どうやって着たらいいのかわからない代物だった。
女の人は大変だなぁと思いつつ、適当に手や足を通して、何とか着てみたが、どこにどう使うものかわからない何かが、ニ、三個放置されたままだ。

それを見た彰が、きちんと服を着せ直してくれた。
なぜ彰がそのファッションを知っているのか不思議に思ったものの、あえて追求はしない。

レースをふんだんに使ったその衣装は、スカート丈が膝上までしかなくて、けれど、膝くらいまで黒くて薄い靴下を穿かされているせいか、寒くはない。

何より嫌なのが、下着まで女性物をつけさせられているせいで、小さなパンティーから性器がはみ出しそうになっているのが嫌だった。

仕上げとばかりにウィッグまでつけられて、亨は二人に促されるまま車の助手席に乗せられる。
どこへ向かうつもりかはっきり言わず、運転席に乗った真は嬉々として車を発進させた。

すでに日も暮れているので、車の中はあまり見えないようになっているのが唯一の救いだ。
まさか、運転席に座る真に、スカートの中に手を突っ込まれているなど、誰も思わないだろう。

「んん…っ。や、あぁぁ…っ」

グリグリと性器の先端をいじられて、亨は声を抑えることができずに、必死で口を塞ぎながらも喘ぎ声を漏らす。
次から次へと溢れ出す先走りの液を、真の手がグチャグチャと水音をさせながら、亨の性器に塗りたくっていた。
その行為が、脳天を突き抜けるほど、気持ちいい。

決して認めたくないが、いつの間にか真の手に慣らされてしまった体は、あっという間に快感のきざはしを上りつめる。

狭い助手席の中だというのに腰を振って、真の手に自分の性器を擦りつけるようにしながら射精する。
その姿をじっくり見られているのだと思うと、余計に感度が増した。

「はい、とうちゃーく」

射精の余韻に浸ってぐったりしていると、真が明るい声を出して車を停止させた。
窓の外へと視線を向けると、真っ暗で何も見えない。
俺はのそりと体を起こして、外の景色を見るために目を凝らした。

「夜の海って、人気がなくていいよね」
「でしょ?なーんか、デートスポット!って感じで」

真と彰の弾んだ会話に、亨は思わず尻込みした。
が、それがわかっていたかのように、後部座席に座っていた彰が、素早く車を降りて助手席のドアを開く。
逃げようとする亨の体をつかんで、あっさりと車外に連れ出すことに成功した彰は、にこやかに亨を見た。

「亨兄。そろそろおしっこしたいよね〜」

彰に言われて、ふいに尿意を思い出す。
そういえば、出かける前からかすかな尿意を感じていたのだ。
けれど、トイレに行く暇もなく、無理矢理ここまで連れ出されてしまった。
もしかして、彰はそれを狙っていたのだろうか。

尿意を感じたとたんに、それは一気に膨れ上がって、亨を責め苛んだ。
もじもじと体をくねらせ、股間を押さえようかどうか、迷う。

「あっはは。かわい〜。亨兄、そうやって我慢するんだ」

けたけたと笑いながら、彰は携帯を構えると、亨の姿をムービーで撮り始めた。
それから逃れたいが、尿意を堪えているせいで逃れられない。

「面倒くせーなぁ。もうヤっちゃっていい?」
「あ、それもいいな。ハメられながらおもらし」
「俺が汚れるのは却下だけどな」
「バックからなら大丈夫だろ?」

亨の前後に立つ双子が発する言葉に、ますます蒼白になりながらも、亨はその場から逃げ出すことができなかった。

いきなり背後にいた真にスカートをめくられ、下着をずるん、と剥かれてしまう。
あっ、と声を上げたのもつかの間、すぐに指が侵入して来て、亨はその異物感に鳥肌を立てた。

「はーい。亨兄。こっち向いてね〜」

尻穴を真の指に犯されたまま、彰に腕を引かれて移動させられる。
車のボンネットに腰を下ろした彰は、その横に俺の体をうつ伏せに横たえた。
そして、ボンネットにしがみつくようにして、尻穴を犯される快楽と、気を抜けば漏れそうになる尿意を必死に堪えている亨の姿を撮影する。

「挿れるよ」

グチャグチャと尻穴を犯していた指を引き抜かれて、すぐに熱いものが宛がわれる。
それは一息に亨を貫いた。
その衝撃に、思わず体がびくり、と跳ね上がった。

同時に、緩く勃起した性器から、ジョロッと小便が漏れてしまう。
慌てて下腹に力を込めると、中に入っている真を締めつけてしまう形になり、亨は思わず呻いた。

「やあ…っ。あ、あぁぁぁ…んっ」

ズチュズチュと水音を立てて貫かれるたびに、亨の性器からはジョロッ、ジョロッと間断的に小便が漏れ出す。
それはもはやとどめようがなく、真に貫かれながら、亨は小便を漏らし続けた。
その姿を、彰が嬉々として撮影している。

中に入っている真の性器が膀胱を圧迫しているのか、小便はスムーズに吐き出されない。

ジョジョッ、ジョォッ、ジョロロッ

まるで挿入に合わせるかのように、小便が少しずつ出ている。
そのせいで長く続いた小便の排泄がようやく終わる。

すると、まるで待ちわびていたかのように、今度は白濁の液を噴き上げ、亨はぐったりとボンネットに横たわった。



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