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長編小説
1.初浣腸
高橋家には3人の子供がいた。
26歳になる社会人の長男、亨は少々おとなしいが、真面目で礼儀正しいため近所でも評判だった。

そんな彼には、双子の弟がいた。

21歳になる大学生の双子は、一卵性のためそっくりである。
双子の兄である真と、弟の彰を見分けるのは両親さえ苦労するくらいだった。
けれど、亨は今まで一度として二人を間違ったことはない。

そのせいか、双子はことのほか亨に懐いていた。
両親も、双子の面倒を見るのは亨の役目だと思い込んでいる節がある。
それを迷惑に感じたことはないが、正直、元気すぎる二人の面倒を見るのがしんどいと思うことはある。

今回も、両親は二人で仲良く旅行に行くことを勝手に決め、後は任せるという言葉一つを残して旅立った。
一応食費やら何やらは用意してくれているものの、亨は、両親がいない一週間を考えると少しゆううつになった。

そして、その日を境にして兄弟の均衡は崩された。


「ねえ、兄貴。男同士でどうやってセックスするか知ってる?」


にこにことした笑みを浮かべて尋ねて来る真に、亨は答えようがない。
26歳にして童貞の亨は、知識としてしか性行為を知らない。
それなのに、弟の真に押し倒され、下半身を裸に剥かれていた。

一体、なぜ、こんなことになってしまったのか。
亨はいまだに理解できずにいた。


「ここを使うんだよ」


言いながら、真は亨の秘所をつついた。
その瞬間、亨の顔からざあっと血の気が引き、がたがたと体を震わせ始める。
急激な亨の態度の変貌に、真はさもおかしそうに哄笑した。


「ねえ、兄貴。ここでセックスするにはさぁ、中を空っぽにしなきゃならないんだよ」


笑いながら言う真の言葉の意味がわからない。
けれど、恐怖は感じて、更にがたがたと体を震わせると、再び真が大笑いした。


「浣腸だよ、か・ん・ちょ・う」


何が面白いのか、狂ったように真は笑う。

すると、それまで部屋の入り口にぼうっと立ったままだった彰が、おもむろに近づいて来た。

人を馬鹿にしたような表情はいつものことだが、その目には残忍な色が宿っている。


「亨兄のこと、俺は特に何とも思ってないけどさ。まこっちゃんが、どうしても亨兄を抱きだいらしいから。ま、ちょこっと我慢してよ」


一見優しそうな笑みを浮かべている彰の手には、イチジク浣腸が握られていた。
ますます顔を青ざめさせて、亨はなんとかして逃れようとする。
が、二人がかりで組み伏せられてはどうしようもない。

床にうつ伏せに押さえられた亨は、どちらかの手によって大きく足を開かされた。

更に、ぐいっと尻を割られる。


「い、いや…だっ!」


もがいても振りほどけず、亨の尻に冷たい容器が挿入された。
あっと思った瞬間、ぴゅうっと薬液が注ぎ込まれるのがわかり、その刺激にびくりと体を震わせる。
すぐに容器が抜かれ、次いで、2個目を挿入される。

これから何が行われるのかを考えると、亨は恐怖に慄いた。
そのせいかは知らないが、萎えた性器からショロショロと細い水流が溢れ出し、床を濡らした。


「あっははは。何やってんの、亨兄。小便なんざ漏らしてさぁ!いくつだよ、アンタ」


彰に言われてようやく、亨は自分が粗相をしていることに気づいた。
真っ青な顔を更に青くして、亨はビチャビチャと床を打つ水音を聞いていた。
下肢がビショビショに濡れるのを感じる。
その感触が、粗相をしている証なのだと思うと、ますますいたたまれない。

けれど、亨の思考は、そこで拡散した。
激しい腹痛が襲ってきたのだ。
薬液が効き始めたのだろう、尋常ではない痛みに、亨は粗相をした尿の上で、体をくの字に折り曲げ、低く呻いた。

床でのた打ち回り、脂汗を流しながら、亨は助けを請うように双子を見た。

しかし真は、亨の姿を見て興奮したらしく、パンツをずらしておのれの性器を取り出し、グチャグチャと音を立てて扱いていた。

彰の方はというと、亨のすぐ横にビニールシートを広げている。

亨は絶望に、目の前が真っ暗になった。
それで気が抜けたのか、ブチュブチュと水音を立てて、浣腸液を漏らしてしまった。
慌てて力を込めたが、一度出始めたものがそう簡単におさまるはずもなく、すぼめた口からじわじわと漏れ続けていた。


「まだ早いよ、亨兄」


言うなり、彰は亨の秘所へと指を突っ込んだ。


「ぎゃあぁ…ぁっ」


むりやり出口を塞がれ、しかも狭いそこに指を入れられたのだ。
痛みと苦しさに悲鳴を上げた亨は、のたうち回ろうにも、彰に押さえ込まれて身動きできず、呻き声を発するしかなかった。


「もう……やめ、て……っ。ごめん、なさい。…いやだ…ぁぁ…」


排泄をせき止められた上、排泄口に指を入れられ、亨の精神は崩壊寸前だった。
さめざめと涙をこぼしながら、ただ謝罪を請う。
だが、唯一亨の言葉を聞いてくれるはずの彰は、すべてを聞き流した。

激痛と排泄欲に朦朧としていたが、真が亨のそばで自分の性器を扱き続けているのはわかった。
グチョグチョという水音が、なぜかよく聞こえた。

まるで、グルグルと唸る亨の腹と息を合わせるように、その水音が耳に心地よくさえ聞こえる。


「ぐ、うぅぅ……っ」


彰は、片手を亨の尻にあてがったまま、亨の体をさきほど敷いたビニールシートの上へとずらした。
その理由が、嫌になるほどわかり、亨は必死に抵抗したが、彰にはさほどの抵抗にならなかったらしい。
あっさりとビニールシートの上へと移動させられる。

我慢の限界からか嘔吐感を催し始めた頃。
ふいに彰の指が秘所から抜かれた。


ブチュブチュブチューーー―ッ


汚らしい破裂音と共に、浣腸液が噴水のように噴き出した。
次いで、便がニチニチと音を立てて排泄されるが、放心状態の亨は、為すがままになっている。


ブリブリッ、ブブッ、ブリュリュリュッ


横向きに体を折り曲げた格好で、亨は尻の前にこんもりと排泄物の山を築いた。
そんな亨の姿を見下ろし、性器を扱いていた真は、排泄を終えたばかりの亨の体をごろりと転がして、うつ伏せにした。


「う、あああぁぁぁ……っ!」


これ以上最悪なことはないだろうと思っていた亨だったが、秘所に真の性器を挿入されて、カッと目を見開き、あらんばかりの悲鳴を上げた。

尋常ではない痛みと、不快な異物感が、途切れそうになる意識を現実に引き戻す。
亨のことなど気にせず、抜き差しを始めた真の動きに内臓を揺さぶられ、たまらず亨は胃の中のものを吐き出した。

そんな亨には一切構わず、真はおのれの欲望だけを追い続ける。
さんざん揺さぶられた亨は、真の欲望を体内に叩きつけられた時点で、吸い込まれるように意識を途切れさせた。

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あきゅろす。
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