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長編小説
2-8.公園のはしっこで
仕事帰りにいつものように待ち合わせて、力哉と夜の街を歩く。
今日はどこに連れて行かれるのだろうと思うと、自然と体が熱くなった。

会話は必要最低限で、前を歩く力哉の表情は、基樹からは見えない。
何を考えているのか、後ろを歩いている限りは全くつかめずに、ジリジリとしてしまう。

そうして力哉が向かったのは、初めて出会った公園だった。
歩いている途中から気づいていたが、まさか本当にここへつれて来られるとは思ってみなかった。

基樹は戸惑いながら、力哉に手を引かれて歩いていく。
夜なのであまり人影はないものの、完全に無人というわけではない。

それでも、力哉は基樹の手を握ったまま離さず、どんどんと先へ進んで行く。

力哉が向かった先は、公園と隣り合うようにして作られた、グラウンドの近くだ。
フェンスで囲われたグラウンドでは、ナイター照明をつけて、野球をしているのが見えた。

「ねえ。ここでしようか」

ようやく基樹をまっすぐに見つめた力哉は、そう言ってにこりと笑った。
野球をしている人たちはかなり遠くにいるし、こちらのことなど見向きもしないだろう。
とはいえ、絶対とは限らない。

基樹がためらいを見せていると、力哉は素早く基樹の背後に回りこんだ。

「えっ?!」

ビックリしている間に、背後から腰に手を回されて、ズボンのファスナーを開けられる。
そして、遠慮なく差し込まれた手に性器を握られ、あっという間に外へと出された。

力哉の手に握られた基樹の性器が、熱く滾っている。
それは力哉の手につかまれているせいか、こんなところでムリヤリ露出させられているせいか。

「ほら。早くしないと見られるよ?」

ぴたりと背後に寄り添った力哉に耳元で囁かれて、基樹はびくん、と体を震わせた。
とたんに尿意が膨らんで来る。

「や、あぁ…ッ」

それでも、一応の抵抗を見せて、基樹は首を左右に振りながら、駄目だ、と何度も呟いた。

けれど、膨らみきった尿意は、さほど我慢できるものではない。
しかも、基樹は力哉の前でみっともなく放尿したいという欲求も抱えているのだ。
さほど堪えることもなく、性器の先端から、ショロショロと小便が漏れだした。

ジャアアァァァァ――ッ

ポタポタとこぼれた小便は、やがて勢いを増して、綺麗な放物線を描きながら地面を叩いた。
バシャバシャという音が耳を犯し、基樹は羞恥に頬を染める。

そのくせ、力哉に握られたままの性器は、じょじょに硬さを増していった。

「相変わらず、小便するとチンポが硬くなるよね」

くすりと笑われて、ますます居たたまれなくなる。
けれど、その通りなので反論できなかった。

放尿を終えた基樹の性器は、痛いくらいに勃起している。
それを、当然のように力哉の手が扱いた。

いくらもしない内に力哉の手で達して、基樹はその場にがくりと崩れ落ちた。
そんな基樹の前に立って、力哉は無言で自分のズボンのファスナーを下ろす。
それを目の前に見ながら、基樹は妙な高揚感に包まれていた。

基樹の目の前に、力哉の性器が姿を現した。
それは、すでに膨らんでいて、先端には先走りが滲んでいる。

基樹はためらうことなく手を伸ばし、力哉のモノを扱いた。
そして、先端に唇を寄せて、滲み出てきた先走りを、舌で舐めとった。

力哉がビクリと腰を震わせて、縋るように基樹の髪をつかんで来る。
それが嬉しくて、基樹は夢中になって力哉の性器を扱きながら、先端から漏れ出す先走りをすすりとった。

あっという間に硬度を増した力哉のソレが、弾ける寸前。
基樹はためらうことなく、力哉の性器をぱくりと口でくわえた。

「あ…ッ」

その衝撃のせいか、元々限界が来ていたのか。
力哉は基樹の口の中で果てた。

とっさにごくりと精液を飲み干し、基樹は呆然としたように座り込んでいる。
その前に立つ力哉も、吐精の虚脱感からか、ぼんやりと立ち尽くしていた。

やがて、同時にのろのろと見繕いを始めて、公園をそそくさと後にする。
人目など一切気にしなかったが、もしかして誰かに見られていただろうか。

そんなことが一瞬頭をよぎったが、力強く握られた力哉の手の感触が心地良くて、基樹は何も言い出せず、手を引かれるまま駅に向かって歩いた。



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あきゅろす。
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