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長編小説
2-5.プールの中で
今日の力哉との待ち合わせは、夜も遅い時間だった。
高校生で未成年の彼と、いくら指定されたからといって、そんな時間に会うのはマズイのではないか。
真面目な基樹はそんな悩みを抱えたものの、結局何も言えず、力哉の指示に従った。

しかも待ち合わせ場所は、力哉が通う高校の校門前だ。
どうにも怪しい気がするが、基樹にはそれを問いただす勇気はない。

渋々ながらも、待ち合わせ時間に間に合うように家を出たが、途中で少し迷ってしまったため、結局少し遅れてしまった。

「遅いよ」

駆け寄って来る基樹に気づいた力哉は、ふくれっ面でそう言ったものの、特に怒っている風ではなかった。
かすかに隙間の開いている校門をくぐり、力哉はさっさと歩き出す。
慌ててその後に続きながら、基樹は不安そうにきょろきょろと辺りを見回した。

力哉は気にした様子もなく、時折基樹を振り返りながら向かった先は、室内プールだった。
ところどころ照明はついているようだが、決して明るくはない。
かろうじて足元は見える、といった程度なので、基樹は更に不安になった。

「なあ。裸になってプールに入ろうぜ」
「そんな勝手な事をして大丈夫なのか?守衛だっているだろう?」
「大丈夫だって。プールの中でさ、おしっこして見せてよ」

無邪気ともいえる力哉の言葉に、基樹はビクリと肩を震わせた。
まさかこんなところで、と思いながらも、ああやっぱり、と納得もした。

力哉と会う時は必ず、放尿を見られている。
そもそも、力哉はそれを目的として、基樹と会っているのだ。

基樹はためらいながらも逆らえず、ゆっくりとした動作で服を脱いだ。
が、一応恥ずかしそうに、股間は両手で隠している。

力哉も同じように一糸まとわぬ姿になったが、彼は恥ずかしさなど感じないのか、どこも隠すことなく、率先してプールへと入って行った。

「うわ。けっこう冷たい」
「だ、大丈夫?」
「平気だって。ほら、早く」

手を差し出されて、思わず基樹はその手を握り返してしまった。
その瞬間、ぐいっと引っ張られて、頭からプールの中に落ちてしまう。
派手な水音がしたので、基樹としては誰かが飛んで来るのではないかと気が気でなかったが、いつまで経っても誰もやって来ない。

「なあ。おしっこ出そう?」
「う、うん」
「じゃあ、やって見せて」

力哉と会う日は、なるべく排泄を控えるようにしている。
そのため、力哉に排泄を促されたら、即座に対応できるのだ。

基樹はためらいながらも、膀胱へと圧力をかける。
ジュワッと尿道を通る小便の感覚が、やけに気持ちいい。

プールの中へジュッと放尿された小便は、あまりよく見えない。
薄暗いせいもあるし、水の中に水分を出しているのだから、見えなくて当たり前だ。

力哉は目を凝らすようにして見ていたが、はっきりわからなかったのだろう。
基樹の性器の前へと、手を伸ばしてきた。

「あ、温かい。あんたの小便、俺の手に当たってるよ」

ジャアジャアと小便を吐き出している感触はあるが、水の中なのであまりよくわからない。
それでも、自分の股間の周りの水が、少し温かみを帯びているのはわかっていた。

それを力哉に言われて、基樹はビクリと肩を震わせる。
と同時に、性器がぴくん、と小さく震えた。

力哉のてのひらを目がけて、基樹は小便を吐き出す。
その時間はあまり長く続かず、すぐに排泄は終わってしまった。

けれど、基樹の性器はむくむくと勃ち上がり始めている。
高校生に見られながら放尿して、更には性器を勃起させているのはみっともなく、かなり恥ずかしい。

力哉は何も言わず、ただ、じっと基樹の股間へと視線を注いでいる。
そのせいで余計に、基樹の性器は反応を示した。

堪えきれずに、基樹は無言で自分の性器を握る。
羞恥はあったが、それ以上に、膨らみきった欲望を何とかしたかった。

握った瞬間ビクリと身体を震わせ、おずおずと性器を扱く。
その動きはすぐに速まって、小便だけでなく、精液までプールの中に吐き出してしまった。

「あんた、ホントにお漏らし好きだなぁ。もしかして、撮影しない方がノリがいい?」

そういえば、前回も今回も、水場のせいか携帯は持っていない。
カメラに撮られている、という背徳感は基樹の羞恥心を煽ったが、それよりも、力哉の視線の方が気になった。

基樹の目の前にある力哉の若いオスは、興奮に息づいている。
それが基樹の放尿を見たせいか、その後のオナニーを見たせいかはわからない。

けれど、原因となっているのは基樹なのだ。

そう思うと嬉しくて、基樹はそっと手を伸ばし、力哉の性器に触れようとした。
しかし、直前でするりとかわされ、力哉はさっさとプールから上がってしまう。

「なあ、次は何がしたい?あんたは、これからどうしたいんだ?」

まだプールに浸かったままぼんやりしている基樹を見下ろし、力哉はまるで悪魔の誘惑のように囁いてきた。

「もっと…。もっと、見て」
「いいぜ。あんたのすべてを見せろよ」

ささやかな基樹の願いは、しっかりと力哉に聞き届けられた。

ドクリと心臓が高鳴る。

もっと、力哉に見られたい。
力哉だけに見て欲しい。

一度吐き出してしまった欲望は、留まるところを知らないようだった。




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あきゅろす。
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