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長編小説
2-4.シャワーを浴びながら
週に1度通っているジムへと、力哉がついて来た。
唯一とも言える安らぎ空間だったので、基樹としてはあまり来てほしくなかった。
けれど、強く拒否することもできず、結局は力哉のいいなりになってしまっている。

どうやら力哉の家は金持ちらしく、あっさり会員制のジムに入会してしまった。

インストラクターに従って機械の操作を教えてもらっている時は、基樹に接してる時と違い、随分と年相応で素直だ。
やはり出会い方がまずかったのだろう。

とはいえ、今更やり直しはきかず、力哉の気がすむまでは付き合おう、と基樹は諦め半分に決めていた。

元はといえば、あんなところで趣味に走った基樹がいけなかったのだ。
もう少し、人目を気にするべきだった、と今更ながら後悔する。

随分と楽しそうにトレーニングをして、最後にプールでひと泳ぎする。
いつもの基樹のペースに合わせるように、力哉もプールへと入って来た。

その後、汗とカルキ臭を流すためにシャワールームに向かうと、なぜか力哉は同じシャワーブースへと入って来る。

「おい、隣が空いて……」
「しっ。黙って、早く入って」

少ないとはいえ、無人ではないシャワールームで、あまり押し問答をするわけにもいかずに、基樹は渋々と狭いブース内に男2人でおさまった。

「シャワーしてるとさ、小便したくならねぇ?」

シャワーを出しながら力哉は、ニヤニヤと笑ってそんなことを言う。
基樹はそれに答えることができなかった。
その時点で、力哉の言葉を肯定してしまっていると気づいたが、それでも、頷く事はできない。

じっと押し黙ってしまった基樹を鼻で笑い、力哉はシャワーのお湯を基樹の股間へと当てた。

少し強めの設定をされたお湯が水着を通して股間に当てられ、かすかに感じていた尿意が強まる。
それを隠そうと身をよじったが、狭いところなので、逃げ場はほとんどない。

「今更何恥ずかしがってんの?もう何度見てると思ってんだよ。さっさとやっちゃいなってば」

クスクス笑いながら言われるが、だからといって素直にできるはずもない。
ためらいながらも、しかし、尿意は我慢できず、基樹はとうとう水着をずらして性器を取り出した。

直接性器にお湯が当てられて、ソコがビクリと震える。
ますます尿意が強まり、ヒクヒクと内股がひきつった。

「り、力哉…」
「いいよ。出して」

促されるように言われて、基樹はシャアッと放尿を始めた。

シャワーのお湯の間を抜けるようにして、放物線を描いた小便が、床へとビシャビシャ落ちて行く。
が、出しっぱなしのシャワーのお湯がすぐに小便を流すので、床に黄ばんだ水たまりができることはない。

間近で力哉に見られながら放尿していることに興奮して、基樹はみるみる勃起してしまった。

ここのところ、力哉に見られながら放尿していると、必ずといっていいほど、勃起してしまう。
それを力哉に指摘されてからかわれるのが、一番恥ずかしかった。

「高校生の前でおしっこして勃起して、ほんと恥ずかしい大人だよな、基樹さんって」

楽しそうに笑いながら、力哉は基樹の性器へと手を伸ばして来る。
逃げようとして腰を引いたが、狭いシャワールーム内では逃げようがなかった。

ぎゅっと性器をつかまれて、思わず基樹は呻いてしまう。

「ほら、オナニーしてみて。いつもみたいにさ」

そう言いながらも、力哉の手が基樹の性器を扱き続けていた。
逃れられないまま、基樹は力哉の手に腰を押しつけるようにして吐精してしまう。

そのままずるずるとしゃがみ込む基樹を見下ろして、力哉はふと気づいたようにあ、と声を上げた。

「さすがにシャワールームに携帯持って来れなかったから、今日は撮れないや。撮影はまた今度だね」

そう言って笑いながら、力哉はさっさとシャワーを浴びて出て行ってしまう。
その後、のろのろとシャワーを浴びながら、基樹はカメラに撮られなかったことが少しばかり残念で、そんな自分に愕然とした。



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