長編小説
番外編
会社の食堂で、同僚の倉橋と向かい合って食事をしていた村瀬だが、食べ終えるとすぐに席を立った。
「悪い。課長に呼ばれてるんだ」
「またか?お前、課長に気に入られてんのか、嫌われてんのか、一度確認した方がいいんじゃないか?」
少し心配そうな目でそう言ってくれる同僚に、村瀬は苦笑を浮かべる。
「そうだな」
頷いて、村瀬はそのまま食堂を出た。
上司である課長に、昼休みにも呼び出されるのは、よくあることだった。
40代半ばの課長は仕事人間で、特に評判が悪いわけではない。
しかし、村瀬は彼が大嫌いだった。
こうして呼び出されるのは忌々しいが、弱味を握られているため、逃げるわけには行かない。
村瀬はどんどん人のいなくなる廊下を歩いて、裏口のドアにたどり着いた。
この先は、隣に立っている工場との境になる、細い路地があるだけだ。
その裏口のドアを開けると、神経質そうな年配の男が、暇そうに煙草を吸っていた。
が、ドアが開いたのに気づいて、振り返りながら煙草を地面に落とす。
「遅い」
淡々とした口調で言われた言葉に、村瀬は大げさなほどビクリと体を震わせた。
ガチャリ、とドアが閉まる音にさえ、村瀬は体が震える。
足元には新聞紙が敷かれてあって、村瀬はのろのろとした足取りで、敷かれた新聞紙の上に立った。
それから、ちらりと課長へ目を向ける。
「早くしろ。人が来ても知らないぞ」
その言葉に再び肩を震わせ、村瀬はズボンのベルトを外した。
ゆっくりとズボンを膝まで下ろし、その場にしゃがみ込む。
それから、さらにゆっくりとした動作で、下着を下ろした。
筋肉質だが意外と色白の、むき出しの尻が外気に触れて、ヒクヒクと震えている。
「ふ…っ。ん、う…っ」
村瀬は、小さく声を出しながら息んだ。
肛門がパクパクと口を開閉させ、その奥に溜め込まれたものを押し出そうとしている。
その時、路地の先にある大通りを集団が通ったのか、急にざわめきが大きくなって、村瀬はヒッと悲鳴を上げた。
ブリブリッ、
そのくせ、開いた肛門から、太い大便を吐き出し始める。
ニチニチと垂れ下がったそれは、ぶつんと途切れて新聞紙の上にどさっと落ちた。
その後にまた、すぐにブリブリと音を立てながら、太い大便が吐き出される。
「人が来たら排泄を始めるとは、随分変態だな。さすがに、会社のトイレで、真昼間にドアに鍵もかけず、大便をひり出していた人間は違う」
機嫌の良さそうな課長の声が、ますます村瀬を追いつめる。
そのくせ、村瀬の尻からは、ブリブリと音を立てながら、いまだに大便が吐き出されていた。
それこそが、課長に握られた村瀬の弱みだった。
昔から昼食の後に便通があった村瀬は、昼休みに会社のトイレで排便していた。
けれど、その時はたまたま、鍵をかけたくない気分だったのだ。
誰かに見られるかも知れない、というスリルは村瀬をかなり楽しませた。
ついつい性器が勃起してしまい、排便をしながらオナニーをしていたら、ちょうど運悪く、課長がやって来たのだ。
しっかりと見られた上、なぜそんなことをしたのか言わされ、挙句に、そんなに見られたいなら見てやろう、と上から目線で言われた。
突っぱねてもよかったのだが、どうしたわけか、村瀬はそうすることができず、こうして毎日のように、課長に排泄を見られている。
「ああ、チンポも勃起してきた。じゃあ、うんこをしながらオナニーしろ。精液も、ここでお漏らしするんだ」
「ふぁ…っ、あ…、ぁぁあ……ッ」
課長に言われるまま、村瀬は片手でおのれの巨根を握り、上下に扱いた。
ニチャニチャと水音を立てながら、ブリブリと大便を排泄する。
それがとてつもなく気持ちよかった。
遠くに聞こえる喧騒が、やけに大きく聞こえる気がする。
目を閉じた村瀬は、自分の周りにはたくさんの人がいて、排泄をしながらオナニーしている自分をあざ笑っている、と妄想した。
そのとたん、村瀬の性器はますます膨らみ、あっという間に吐精してしまう。
「ひあ、アァァ――ッ」
外だというのに、大きな声を上げて精液を噴き上げた村瀬は、ブチュブチュッと水っぽい便を吐き出した。
「イイコだ。よくできた」
さきほどとは打って変わり、課長の声はうっとりするほど優しい。
髪をくすぐるように撫でられて、村瀬は無意識にその手に我が身を委ねた。
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