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長編小説
10.植え込みでしゃがんで
会社からの帰り道、尿意を催した基樹は、どこかいい場所はあったかな、と周囲を見渡した。

暇つぶしに1駅前で降りて歩いていたところなので、この辺りにはあまり詳しくない。
携帯で地図を出しながら、良さそうな場所を探すことにした。

すると、どうやらこの先に少し大きめの公園があるらしい。
どんなところか様子を見に行こうと決めて、基樹は足早に歩き出した。

大きな公園らしく、子供たちの遊び場とも言える遊具のある場所もあれば、遊歩道の整備された並木道や、ちょっとしたスポーツができそうなグラウンドまであった。

入り口にある案内板で公園内の配置を確認して、基樹は遊歩道へと入って行った。

季節によってさまざまな色を見せるのだろうそこは、遊歩道の左右に適度な草木があって、膝下くらいの位置に柵はあるものの、簡単に入って行けそうだ。

基樹は抵抗もなく柵を越えた。
ちゃんと刈り込んでいるのだろう草木が、さまざまな形で配置され、基樹はその中のひとつへと近づく。

ちょうど腰くらいの高さまで生えたその草木は、1メートルくらい横並びに植えられていた。
基樹はその場にしゃがみこんで、早速ズボンと下着を下ろす。

たっぷりと尿を溜め込んだ性器が、排泄の時を待ちわびていた。
基樹は我慢することなく、シャアッと小便を吐き出す。

「ん…っ」

小さく呻きながら、ジョロジョロとその場に小便を吐き出し、地面をビショビショに濡らした。

排泄に酔っていると、遊歩道を歩く人の足音がかすかに聞こえて、基樹は少し焦る。
慌てて小便を止めようとしたが、なかなか止まってくれない。

「誰かいるんですか?」

意外と若い声が近くから聞こえて、基樹はビクッと肩をすくめ、その場に縮こまった。
しかし、まだ小便はチョロチョロと出ているせいか、こちらの場所がわかってしまったようだ。

「こんなところで、いい大人が野ションですか」

基樹の目の前までやって来たのは、高校生くらいに見える、少年だった。
基樹のむき出しの股間を見て、嫌そうに顔をしかめている。

「しかも、チンポおっ勃ってるんだけど。アンタ、変態?」

どうやら変態扱いされたせいか、敬語すら話されなくなった。
否定もできずに基樹が黙ったままいると、少年は基樹の鞄を探って、その中から携帯を取った。

「な、何…」
「ん?アドレス交換するだけだって」

そう言って、少年は手早く携帯を操作して、互いのアドレスを交換した。
その後、すぐに携帯は基樹の手へと返される。

「じゃ、また連絡するね、変態さん」

少年はにこやかに笑ってその場を立ち去った。
呆然としたまま、基樹は少年を見送るしかできず、大分経ってから、ようやくズボンを穿いて、改めて携帯を見た。

すでに少年からメールが届いており、開くと、

『変態さんに命令。今度俺の前でおしっこして見せること』

その一文を読んで、基樹は目の前が真っ暗になった。
それなのに、性器はかすかに勃起したままだ。

秘密を知られ、それを年端も行かない少年に見られようとしている。
それはひどく基樹を打ちのめすと同時に、どうしようもなく興奮させた。


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あきゅろす。
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