長編小説
9.パンツにほんのちょっとだけ
今日はいつもと違う感じでおしっこをしてみよう、と基樹は思った。
朝からたっぷりと水分を取り、十分に膀胱を膨らませて、家を出る。
休日の朝は、基樹の住む辺りでは人気が少なく、やや閑散としていて、散歩などもしやすい。
そんなわけで、休日の朝は軽くランニングをすることの多い基樹だが、今日はさすがにランニングはできそうになかった。
パンパンに張った膀胱は、すぐにでも尿意を解放したいといわんばかりにせっついて来る。
歩き方がぎこちなくなり、つい前屈みになってしまう。
けれど、今日の基樹は、特に目的地があるわけではなかった。
場所は、どこでもいいのだ。
ただ、タイミングさえ合えば。
基樹はキョロキョロと辺りを見回し、どうしようかと考えた。
人に見られそうで見られない場所で、密かに放尿するのが好きなのだ。
けれど、パンツにちょっと漏らすのは、お漏らしにしかならないのではないだろうか。
そんな思いがあるせいで、基樹はなかなか実行に移すことができずにいた。
けれど、そんな風に悩んでいる間にも、尿意はどんどんと膨れ上がって来る。
その内段々と、今すぐにでも放尿しなければヤバイ、というくらいにまでなって、ようやく基樹は決心した。
人気のない路地へと入り、ゆっくりと下腹に込めた力を抜いて行く。
すると、ある瞬間に。
チョロッ、
性器の先から、少量の小便が漏れた。
じわりと下着に染みができる感触があった。
とうとうお漏らしをしてしまった。
そう思うと少し興奮して、今度はもう少し、多めに漏らしてみる。
ショロロッ、シュッ、ジョロッ、
何度かちょっとずつ漏らしたせいで、下着はすっかり濡れてしまった。
さすがにこれ以上、このまま漏らし続けるのはヤバイだろう。
そう思って、基樹は周囲を見回してから、性器を取り出した。
案の定、下着はぐっしょりと濡れていて、性器を取り出すのに少し苦労した。
壁に向かってジョロジョロと放尿して、すっきりした基樹は、濡れた下着の感触の気持ち悪さに辟易しながら帰宅した。
やっぱり、思い切り放尿する方がずっと気持ちがいい。
お漏らししてみて、基樹は改めてそう思った。
さあ、今度はどこで、どんな風にしてみようか。
植え込みでしゃがんで、というのも面白いかも知れない。
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