長編小説
7.丸めたタオルに
毎週通っているスポーツジムで汗を流した基樹は、ロッカールームへと向かった。
顔見知りの人間は何人かいるが、ほとんど知らない人ばかりだ。
しかも、ロッカールームで顔を合わせる人は少なく、いたとしても、すぐ近くにはいないことが多い。
軽くシャワーを浴びて汗を流した基樹は、ロッカールームで更に綺麗に体を拭いた。
その後、周囲を念入りに見回す。
整然と並んだロッカールームの一番奥、そこが基樹の定位置となっていた。
その周囲には人はおらず、けれど、全く人気がないわけではない。
どうやら隣の筋では着替えている人がいるようだし、たまに通路を通る人影もある。
それでも近くには誰もおらず、基樹はドキドキと胸を高鳴らせながら、シャワーで使用したバスタオルを丸めて、まだ下着を穿いていない股間へとぎゅっと押し当てた。
一応、ロッカーの扉を開いて、その陰に身を隠すようにしながら、ずっと堪え続けていた尿意を解放する。
シュウウゥゥゥゥ……ッ、
布地に押し当てた状態での排泄は、かなり気持ちよかった。
いけないことをしている、という羞恥を高まらせて、思わず頬が赤く染まってしまう。
幸いなことに誰にも見咎められることなく、バスタオルに排泄を終えた。
ぐっしょりと小便を吸い込んだバスタオルは重くなり、けれど、小便をこぼすことはなかった。
濡れたバスタオルをナイロン袋に突っ込み、基樹はようやく着替えを始めた。
さあ、今度はどこで、どんな風にしてみようか。
公園のはしっこで、というのも面白いかも知れない。
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