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長編小説
6.電車の連結部で
会社帰り、電車に揺られながら、基樹は連結部へと視線を向ける。
ガラス張りになった窓の位置が、意外と下の方まであるし、かなり狭い空間だ。
果たして、こんなところで排泄できるだろうか、と思ったものの、だからこそ楽しいのだ、と思い直す。

会社帰りとはいえ、いつもと時間を変え、更には、念のために、乗っている電車も変えている。
さすがに知り合いらしき人間は、周囲を窺っても見当たらない。

電車内はまばらに人が座っており、立っている人はいなかった。
座っている人の大半は、本を読んでいるかケータイを触っているか寝ているくらいで、誰も人の動向を気にしていない。

基樹はそっと立ち上がると、連結部に向かった。
やはり、誰も基樹の動きを気にする者はいない。

連結部に入った基樹は、そこでファスナーを下ろして、性器を取り出した。
それからまた、左右の車両へと目を走らせる。

こちらを見ている人は、どうやらいなさそうだ。

そう思い、溜め込んでいた小便を、一気に解放する。

ジョボジョボジョボ…ッ

連結部の、蛇腹状になった場所へと、小便は放物線を描きながら落ちて行く。
意外と音が響いて、基樹は内心ビックリしながら、再び周囲へと目を向けるが、やはり、こちらへと意識を向けるものはいない。

何となく少し、残念な気分になる。
見られたいわけではないが、万一見られてしまったら、どれだけ興奮するだろう。
そう思うだけで、勃起しそうになる。

小便はあっという間に出尽くしてしまい、基樹は、はあ、と熱を含んだため息をついた。

さあ、今度はどこで、どんな風にしてみようか。

丸めたタオルに、というのも面白いかも知れない。


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あきゅろす。
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