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長編小説
5.プールの中で
週に1度は、仕事帰りにジムへ行くように心がけている。
そうしなければ、あっという間に体力が落ちてしまうし、中年太りにはなりたくない。

独り身だからこそできることかも知れないが、基樹は残業の後だというのに、いそいそとジムへ向かった。

入念に準備体操をしてからマシンで汗を流し、最後にプールへと入る。
それは、いつもの基樹のペースだった。

そのいつものペースに、基樹の趣味をプラスする。
それは、妄想するだけでもかなり楽しめた。

今日はいよいよ、その妄想を実行しようと、ジムに来る前から尿意を堪えて来ていた。
その状態で運動をするのは辛かったが、それも後に来るお楽しみのためだと思えば、我慢できる。

しかし、プールに向かう頃には、すでに膀胱はパンパンになっていた。

たっぷりと水が張られたプールを目にしただけで、思わず水着に少量の小便をチビってしまうほど、基樹の尿意は限界に達している。

つい無意識に小便をチビってしまい、基樹は慌てて下腹部に力を込めた。
そのお陰で、何とか、それ以上チビることはなく、ほっと息をつく。

尿意を必死に堪えて、ゆっくりとプールに入った基樹は、とりあえず一往復だけ泳いだ。
プール内には、あまり多くの人はおらず、それぞれマイペースに各レーンで泳いでいて、誰も基樹のことを気にしてはいない。

そんなことを確かめながら泳いだ基樹は、その後、速度を落として下腹部に込めていた力を抜いた。

ジョバッ、と勢いよく吐き出された小便は、水着の中にぶわりと広がる。
プールの温水よりもなお温かい小便が、基樹の水着の中で溢れ返り、じょじょにプールの中へと漏れ出した。

ジョオオォォォ――ッ

遠慮などすることもなく、基樹は一気に小便を吐き出した。

ゆっくりとではあるが泳いでいるため、手足で水をかいているので、プールの中に漏れ出した小便は、あっという間に周囲に霧散して行く。
おそらく、隣で泳いでいる人は、そんなことに全く気づかずにいるのだろう。

そう思うと、基樹は笑みが零れ落ちるのを止められなかった。

さあ、今度はどこで、どんな風にしてみようか。

電車の連結部で、というのも面白いかも知れない。



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