短編小説
リク:オネショ(小スカ)
小便排泄/着衣おもらし/オネショ/青年
仕事で外回りをしている最中、尿意を催した。
場合によってはなかなかトイレに行けないこともあるので、訪問先では必ず用を足すようにしているが、それでも絶対ではない。
あまり訪れたことのない場所だったので土地勘もなく、ケータイでコンビニかデパートを探してみるが、あいにく近くにはないようだ。
さほど切羽詰っていないし、このまま駅へと向かうことにする。
仕事はまだ続いているし、下手にウロウロして時間をとってしまい、訪問予定の時間をずらすわけにもいかない。
少し早足に駅へと向かい、切符を購入して改札をくぐった後、トイレを探した。
しかし、小さな駅の構内をどれだけ探しても、トイレの案内表示が見当たらない。
切羽詰っているわけではないが、駅に着いたら用が足せると思っていただけに落胆が大きい。
けれど、まだ我慢はできそうだったので、下りる駅でトイレに行くことに決めた。
電車に乗っている時間はおよそ20分ほど。
その先で下りる駅は、乗り換え駅となっているため構内も広く、確実にトイレはあるはずだ。
電車もさほど待たずに来るようだし、もう少し我慢をすることに決めた。
しばらくしてホームに滑り込んできた電車に乗り込むと、ほとんど客はいなかった。
そのせいか、クーラーがやたらと効いていて、寒いくらいだ。
尿意を堪えているせいで余計辛さが増すが、乗らないわけにもいかない。
誰もいないのをいいことに、深く腰を下ろして両手でぎゅっと股間を押さえ、その手を太股でしっかりと挟み込む。
誰かに見られたらみっともないが、幸い誰もいないし、停車駅でも乗り込んで来ることはなかった。
20分間、ひたすら股間を押さえ続けていて、感覚がなくなって来ている。
それでも、尿意がじょじょに切羽詰りつつあるのは確実だ。
電車を下りると、股間を押さえていた手を離さなければならず、トイレにたどり着くまで我慢ができるか、それだけが心配だ。
貧乏揺すりをしながら目的地にたどり着くのを待ち、電車が減速し始めたところで股間から手を離し、乗降扉へと急いだ。
真っ先に飛び出し、トイレに向かうためだ。
姿勢を変えたせいでますます尿意が切羽詰って来る。
勝手に足が震え出し、無意識に股間へと手が向かいそうになるのを、必死で押し止めた。
幸いホームにもほとんど人はおらず、扉が開く途中で飛び出し、階段を駆け上がる。
この駅は何度か訪れたことがあるので、トイレのある場所は把握していた。
まっすぐにトイレに向かうと、そこには誰もいなかった。
ほっと安堵したと同時に、あれ?と疑問に思った。
平日の昼間とはいえ、こんなに人が少ないことがあるだろうか。
ほぼ無人状態の電車といい、ここまで来る道のりといい、あまりにも人がいなさ過ぎる。
違和感を感じて、きょろきょろと辺りを見回した。
一度トイレの外へ出てみるが、やはり人気がない。
何だか胸騒ぎがして、落ち着かない。
尿意は最大限に膨れ上がっているのに、用を足すことができず、不安が募っていく。
妙な焦燥に駆られ、心臓がドクドクと鳴り出していた。
―――そこで、ふいに意識が覚醒した。
一瞬、自分が今どこで何をしているのかわからない。
が、じょじょに意識がクリアになっていくに従って、自分の部屋のベッドに寝ていることに気づいた。
どうやら夢を見ていたらしい。
ほっと安堵して、全身で息を吐き出す。
あの、切羽詰った尿意もなく、ただの夢だったのだと思うとほっとした。
まだ外は暗く、もう一眠りしようと思い、寝返りを打ったのだが。
その拍子に、下半身に違和感を感じた。
何かが、べったりと肌に吸いついているようだ。
こころなしか、冷たい気がする。
何だろう、と思いながら上半身を起こし、布団をめくってみると。
「え…?」
自分の目に映る光景が信じられない。
パジャマ代わりの短パンが、グッショリと濡れている。
それは布団にも広がっていた。
どう見ても、オネショだ。
「……嘘、だ…ッ」
ガクガクと体が震えた。
社会人になってからオネショをするなど夢にも思わず、あまりのみっともなさにじわりと涙が浮かんで来る。
濡れた下着と短パンが肌に張りついて気持ち悪いのに、着替えることができない。
放心したように、オネショ跡を見つめ続けていたが、ふいにまた、尿意を催した。
と同時に、ショロショロと力なく小便が吐き出され、オネショ跡が更に広がる。
自分が何をしているのか理解できずに、その様子を呆然と見ているしかできなかった。
大した量ではないものの、お漏らしをしたのだと気づくには、かなりの時間を要した。
我に返ったとたん、その場で濡れた衣服を脱ぎ捨て、風呂場へと駆け込む。
熱いシャワーを浴びてみたものの、汚れは落ちたが気分は最悪のままで、その後、一睡もすることができなかった。
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