Cruentus
屋敷前
「なぁ、来栖。木崎先生が言ってたこと覚えてるか」
「なんか言ってたけ?」
「最近物騒な事件起きてるから寄り道しないで帰れって言われたばかりだろ」
そうだ。
木崎の言う通り、寄り道しないで帰る筈だった。が、なぜかボク達は幽霊屋敷の前にいた。
学校を出て来栖と帰り道を歩く。
来栖とは曲がり角で別れ、このまま家に帰ろうとしていたが、どうしても自分が言ったことを本当だったと証明したいらしく、ボクは半ば無理やり来栖に引きずられて来た。
「まぁ、ここまで来たんだし。ねぇ」
「分かったよ」
確かに屋敷の前まで(来栖に無理やり引きずられて)来てしまったことだしこの際、来栖が見たと言う女の子が居るがどうか確かめて、とっとと帰ろう。
改めて屋敷を見ると光を遮断するかの様に全ての窓がカーテンで閉ざされている。
いつ見ても薄気味悪い屋敷だ。
「で、どこら辺に居たんだ?」
「あそこの窓」
来栖は2階の右から2番目の窓を指を指す。
あそこに、女の子が…
来栖が指さす窓を見ると、そこの窓も他の窓同様カーテンで閉ざされいるが、僅かに開いていてちらっと部屋の中が見えそうだ。
でも夕陽が窓に反射し部屋の中がよく見えない。
こうしている間に陽が沈み次第に暗くなってきた。
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