Cruentus
噂〜幽霊屋敷
随分昔に建てられたらしい洋館は、町の外れの丘に聳え建っていた。
人を引き寄せない雰囲気を放つ洋館は、ボクが子供の頃から『幽霊屋敷』と呼ばれていて有名だ。
『幽霊屋敷』と呼ばれる屋敷は外見からでも分かるぐらいに古く、せっかくの広い庭も荒れ放題で一見人が住んでいない様に見えるのだが、住んでいる人が居るらしい。
だが誰もその住人を見たことがないらしいく、そんな理由から、いつしか幽霊屋敷て呼ばれるようになった。
まさか幽霊を見た…とか言うんじゃないだろうな。
そんなボクの期待を裏切って来栖は得意そうな顔で言う。
「それが実は、本当に人が住んでるらしいんだな、こ・れ・が。最近あの屋敷に出入りしてる外国人見たって木下達言ってたし、それにオレも女の子が家の中に入るのちらっと見えたもん」
「木下達はともかく、何でお前、あの屋敷に行ったんだ」
「それはその〜木下達が言ってたコト確かめてから、アキに言おうと思って。ホントだったら今度こそアキを驚かせられると思って」
来栖が見たと言う女の子。
屋敷に女の子が住んでいるなんて一度も聞いたことがない。
もっとも誰が住んでるのか解らないから何とも言えないけど。
もしかして来栖の見間違えだったんではないのか、と考えていると来栖はボクが何を考えていたのか分かった様だ。
「あーもう信じてないな!!よし、今から行こう!アキも見ればオレの見間違えじゃなかったって分かるから!!」
「嫌だよ。興味ないし」
「何言ってるの!これはオレの人間性に関わる問題だから、何が何でも連れて行くよ!!それに気になることもあるし」
「人間性に関わるって、んな大袈裟な・・・」
来栖がボクを引きずってでも屋敷に連れて行こうとしていると、教室の扉が開いた。
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