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Cruentus
吸血鬼事件
ここ最近、変死体が見つかり、昨日の晩もまた変死体が発見された通称、吸血鬼事件のことを。

発見された変死体には共通点があり、何か鋭いもので刺されたような跡が2つ。その痕が噛まれた痕にも見え、更に体中のというが全て無くなっていたということ。

しかも、その噛まれた様な跡は人間のものとは思えい跡だったらしい。

それから被害者はみんな10代〜20代の若い男女という事件で、犯人の手掛かりが、無く未だ捕まっていない。

十年前にも同じ様な事件があったらしく、ある中年男性が深夜自宅に帰る途中、犯人らしき男が女性の首に噛みつき、血を啜っている所を見たという。

血を啜り終わると暗闇の中に消えていったと。

そんなことから、まさに吸血鬼の仕業ではないかとマスメディアはこぞっとこの事件を取り上げ吸血鬼事件と呼ばれるようになった。

「うわー何それ。なんだが本当に吸血鬼っぽいね」

「・・・吸血鬼なんて居る訳ないだろ」

「そんなの分かんないじゃん。実は吸血鬼はこの世に紛れ込んでいて、ひっそりと人間を狙って―」

来栖の言葉を遮るかの様に、ぱちん!といい音が響く。

「っ〜!!別にデコピンしなくてもいいじゃんか!」

来栖は赤くなったデコを差する。

「アホ。んな事言ってないで早よ帰れ」

木崎はそう言ってドアの方に指を差した。

「ちぇ。んじゃ、アキ帰ろぜ」

「ああ」

来栖に続いてボクも教室を出たその時だった。

「寄り道しないで帰れよ。来栖に"春夏冬"

ただ木崎に名前を言われただけなのに、背筋がぞくりとなった。

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