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チョコミント。
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そんなこんなで、神田のお弁当を作る羽目になり、昨日はレシピを考えるので疲れた…。

いわゆる、寝不足気味。
いつもは自分の分(たまにお父さんの分)しか作らないから、少し手抜き弁当なのだ。

アイツに手抜き弁当なんて見せたら…

「お前、家事やってるくせに料理下手なんだな(嘲笑)」とか言うに決まってるッ!!

ここは見返して、驚かせてやる。

学校に着いて早々に眠気疲れで机に倒れこんでいると「やっよいー♪おはよー♪」と、美香が教室にやってきた。

「あー、美香。おはよ…」

普段ならもっと愛想良く、挨拶を交わすのだが、眠気にはかなわない…。
いつもと様子が違う私に気が付いたのか、美香が少し心配そうに私の顔を覗く。

「何々?今日の弥生、何か元気なくない?」

机にうなだれている。
私の顔を見れば、誰だって気付く。

と言うより、毎日顔を合わせているのに、友達の異変に気付かない方がおかしいか。

私は素直に『実は…』
と言いかけたが、昨日の!いや!

あのポーカーフェイス野郎の事を!

いっそのこと、暴露してしまえば…なんて脳裏に過ぎたが、そんな事をすれば大惨事だ。

『ううん、そんなことないよ。ただ…昨日ちょっと遅くまで漫画読んじゃって少し眠いだけ』

軽く、ふわぁ…と欠伸が出た。

漫画は読んで無いが、眠いのは本当の事だ。

「何だ、そっかぁ。寝不足は、お肌の天敵だゾ☆」

嗚呼…美香が眩しい…。
朝から元気だなぁ…。
ウインクなんてかましちゃって。

とりあえず何か答えなければ…

『うん、変な心配かけてごめん。気を付けるよ。」

本当は神田のせいで寝不足になったなんて、とても言えない。

眠たくも微笑みながら、そう答えていると、「あっ!和樹クン!!
おはよ〜ん♪」

…美香は本当に私の事を心配していたのだろうか。

颯爽と、和樹?の所に行っちゃうし…。

あーもー…眠い。

「…?誰」

美香は席に着いて何やら難しそうな本を読んでいる、神田のそばに行き
「もぉ!!昨日自己紹介したでしょ?私は岡本美香。んで、あの子が秋月弥生。これからよろしくね♪神田和樹くんっ♪」
『ちょっと!美香?!』別にコイツと仲良くなりたくないし!!

美香を慌てて止めるが
「うん、此方こそよろしく。岡本さんに…秋月、弥生さん」

神田が私を見ながら微かに微笑んでいた。

4限目が終わり、昼休みを告げるチャイムがなった。

美香が勢い良く立ち、
「さて!加奈子誘ってご飯食べに行こ♪早くしないと、いつもの場所、違う人にとられちゃうし」
『そーだね』

私も立ち上がり、教室から出ようとした。

その時、教室の端の方から何やら騒がしい声が聞こえるのでチラリと様子を見てみる。

クラスの女子達が、神田の席に取り囲んで「神田くんっ、私…神田くんの為にお弁当作ってきたの。良かったら食べて?」

「私も、神田くんに食べてもらいたくって作ってきちゃった♪」など、ざわついている。

どうやら彼女達は神田の為にお弁当を作って来たみたいだ。

美香が私の肩に顎を乗せて「ほぇ〜。転校初っ端から凄い人気っぷり。美青年高校生アイドル参上っ☆って感じッスな〜ぁ」

美香は、感心しながらも美香なりに楽しんでるようだ。

なんかニマニマしてるし…。

『美香っ、早く行こ!』
私は美香を引っ張って加奈子の所へ急いだ。

とりあえず!
いつもの場所はゲットできた。

学校の中庭である。

いつも3人で、他愛も無い話をしてご飯を食べている。

ふと、さっきの教室の事を思い出した。

…アレなら私が一々お弁当作らなくてもいいかな?

なんて考えていたら…

「隙ありッ☆」

なんて、美香にウサギ林檎をとられるのは恒例の事だったが、その時の私は思いも寄らぬ事が起きてるなんて、知りもしなかった。


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