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恋は曲者、俺は被害者
君はそれでいいのか


真澄が『恋人は手繋いで一緒に帰るんだよ!』と嘘の情報を千草に吹き込んだ為、今二人は手を繋いで…というか千草に虎徹が手を繋がれて歩いていた。


「あ…あの、板橋…君」


先程一年と言っていたから君呼びでいいだろうと思いつつも、不良なので虎徹は大きく出ることが出来ず、どもりながら声をかける。


「何?」

「えっと、簡単に返事してたけどいいの?その…急に男と付き合えって言われて…」

「別にないよー。それに恋人出来るの初めてだから嬉しーよ」

「相手、俺なのに…?」


この人頭大丈夫だろうか…。

紀一のような怖い雰囲気がなく、寧ろ人懐っこい犬のような雰囲気の千草とはそこそこ会話が出来た虎徹だったが、今一千草の思考回路が理解出来かった。


「話したらいい人そうだし特に問題なし!伊藤くんこそ俺でいいの?」

「…うん」


というかこの選択肢しか俺に未来はないしね!!


「じゃあ改めてよろしくー!板橋千草でっす、千草でいーよ」

「い、伊藤虎徹です。俺も虎徹でいいよ、よろしく」


改めての自己紹介を終え、彼氏…というのは困るが取り敢えずいい人そうで良かったじゃないか、と虎徹は家の近くで千草と別れるまで心の中で自分を慰めていた。

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あきゅろす。
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