恋は曲者、俺は被害者
あっという間に当日です
雲一つない空、燦々と輝く太陽。
まさに体育祭日和です。
ってもう本番かああぁぁッ!!!!
一年生の五十メートル走から始まった体育祭は毎年の事ながら盛り上がっている。
全生徒が赤、白、青の三軍に別れて戦っているが、今回虎徹達は皆同じ青軍だった。
「あ、虎徹!また千草君一位だよ!」
幸大の声でゴールを見てみると、千草が一位の旗を持って手を振っている。虎徹は恥ずかしがりながらも、手を振って返した。
千草君もう三競技目だ…すごいなぁ。しかも毎回一位だし。
全員参加の競技とトリの仮装レース以外でない二人はのんびりと体育祭を観戦していた。
千草以外に真澄と信正も出ては一位をとっているが、紀一はパートナー以外で競技に出る気はないらしい。
「次、騎馬戦だな」
「俺すぐはちまき取られると思うよ…」
「まぁ、それは俺もだよ……」
簡単に予想出来る結果を話ながら二人は集合場所へ向かった。
騎馬戦の結果は二人の予想通りだった。しかし全体では青軍は二位でまずまずの結果だ。
その後も競技は続き、昼休みもあっという間に終わっていよいよトリの仮装レースの番がきてしまった。
点数は接戦で、余計仮装レースへの関心が高まり運動場は割れんばかりの歓声で包まれている。
ヒイィィィッ、何この盛り上がり!!負けたら恨まれそうなんですけど!!
すでに入場門で整列していた虎徹は周りの熱気に押され気味だ。
隣にいてそれに気付いた千草は、ぎゅっと虎徹の手を握ると「大丈夫」と声を掛けた。
「俺、今日出た競技全部一位なんだー!だからこれも一位になるよー」
明るい笑顔で言われると、虎徹も不思議とそう思えて緊張していた顔に笑みを浮かる。
「頑張ろうねー!」
「うんっ、よろしく千草君!」
互いに気合いを入れたところで選手入場のアナウンスが流れた。
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