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縁は異なもの、味なもの
影の支配者とかではない


一限の授業が終わり、俺は屋上に向かっている。

何故か後ろからは空、篤、花崎、笹光がついて来ている。「相手が相手だから心配」と言ってついてきているが、それが本心なのは空と笹光だけだろう。


しかし問題はそんな事ではない。


教室を出る前に篤からあの先輩の正体を聞いた。





穂純一綺、2Eのトップで龍治さんが作った「argent」の現総長らしい。

それを聞いて「街で有名」と言っていた意味が解った。

確かに俺の名前はあの街の不良には響き渡っている。今でも伝説の不良と崇められている龍治さんが俺の養い親で、俺に手を出したら消すと宣言しているからだ。そんな事は恋人の白さん以来だったらしく伝令の様に街を駆け巡ったらしい。
おまけに代替わりの度に総長や幹部を紹介されて、しかもいい人達だから仲良くなってしまいさらに俺の名前は広がってしまった。


そう言えば穂純先輩の代は誰も紹介されなかったな………何故だろう。

まぁ、そこは置いとくとして。ずっと関わって来なかった先輩がいきなり関わってきたのは何故だ?俺を助けたのは?

まさかとは思うがまた過保護振りを発揮してしまったんだろうか、龍治さんは。


そんな出来れば勘弁してほしい想像が浮かんだ所で屋上の扉の前に着いた。

ゆっくり扉を開くと、穂純先輩が立っている。

しかし一人ではなかった。


「時間丁度だな、成瀬」

『ッざいます!成瀬さん!!』


おそらくチームの仲間だろう、数十人が先輩の両脇に立っていて一斉に俺に向けて挨拶をしてくる。


止めてくれ。これじゃあ俺がボスみたいじゃないか。


「……連里って何者?」


案の定空に尋ねられた。

違う、違うから。俺は普通の高校生だ。


「……とりあえず空の考えているようなものではない」


だから、風紀の時の様に目を輝かせないでくれ。

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あきゅろす。
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