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縁は異なもの、味なもの
後夜祭


龍治さん達や先輩達が帰った後も、俺達のクラスは忙しいまま皇礼祭終了の時刻を迎えた。


そして着替えや簡単な片付けを終えて、今から後夜祭の始まりだ。












「皆さん、皇礼祭お疲れ様でした!会食楽しんでいただけてるでしょうか?今年も後夜祭の司会進行は我々、広報委員会が務めさせていただきます。まずは模擬店人気ランキングの発表です!」


食堂に司会の声が響く。

後夜祭は食堂での会食パーティーだ。クラス毎にテーブルがあって、見るからに豪勢な料理がそれはもう沢山用意されている。
まぁ、それだけではなくて今からする展示の優秀賞の発表であったり、皇礼祭限定の人気ランキングなどもやるらしいが。


「今年の皇礼祭は大変な盛り上がりで、模擬店のランキングもいつも以上の投票数で我々も驚きました。ランキング一位のクラスには最優秀賞として賞品もあります、ご期待ください!」


壇上の司会が嬉しそうに話した。

模擬店や皇礼祭限定のランキングは広報委員会主催で行われる。校内に幾つも投票用のパソコンがあり、投票と同時に開票もしている。

なんともハイテクで贅沢な話だ。


「俺達一番かもな!」

「俺も自信あるなぁ」

「…確かに忙しかったが、一年が最優秀ってあるのか?」

「いや、篤の案で実際かなりの集客率だったしね。有り得ると思うよ」


期待を込めた空や篤の発言に花崎も自信の籠もった返事をする。委員長として花崎はかなり頑張っていたし、賞品もあるらしいから取れるものならそれは嬉しいが…。


「―……ではいよいよ一位の発表です!」


気が付くと、話している間に二位まで発表されてしまっていたらしい。クラスメートが騒いでないということはうちのクラスの名前は出ていないのだろう。


「今年は二位との間に圧倒的な差を付けての一位でした。そしてその名誉ある一位のクラスは……」


司会の進行にあわせて照明が消え、ドラムロールが流れだした。

皆、最優秀を狙っているんだろう。緊迫感が会場に漂う。


「…………………一年A組!おめでとうございます!」


長い溜めの後、パッと俺達の上の照明がつき、会場内の視線が向けられた。


……まさか、本当に取ってしまうとは。


「では、代表として委員長の花崎君、前へお越しください!」


放送に従って花崎が立ち上がると、周りから拍手が上がる。

壇上に向かう前に花崎は「やっぱ篤の案は向かうところ敵なしだね」と嬉しそうに笑った。

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