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偽装




結局その後、正一もつられて眠ってしまった。








《偽装》








ガチャ


ようやく仕事が終わり、部屋に戻って来ると白蓮と正チャンが寝ていた。


白蓮は正チャンの膝。正チャンは白蓮に覆いかぶさるようにすやすやと規則正しい寝息をたてて寝ている。



「仕方ないね……」



少し寒そうだったので僕の上着を一人一人被せてあげた。



すると正チャンが少しだけ目を開いた。


「ん…ここは…」

「僕の部屋だよ」

「!!白蘭サン!?」


正チャンがそう言った後、僕は人差し指を口に当てて"しーっ…"と言った。


「白蓮が起きちゃうでしょ?」

「ハッ!!」

正チャンはハッとして両手で口を抑える。


僕はニッコリ笑って、


「…少し秘密の話をしようか」


そう言った。その後も少し笑った。






正チャンは白蓮を何とか退かし、僕とベットのすぐ近くに置いてあるソファーへと向かった。



「今日はありがとね。大変だったでしょ?白蓮のお守り」

「は、ははは…大丈夫です。」


正チャンは苦笑いで返す。
僕は今度は笑顔ではなく真剣な顔で正チャンを見つめた。


「正チャン…君は気付いたかもしれないけど…」

「?」









「白蓮は、本当の妹じゃないよ」




「えっ…」


正チャンは目を見開き信じられない、みたいな顔してる。

確かに今まで自分が思っていたことをそう深刻な顔で否定(?)されたら僕だってびっくりする。



「白蓮サンが…妹、じゃない…」

「うん。正チャンは六道骸クン、知ってるよね?」

「あ、あのヴィンディチェに監禁されてる…」

「そ、元は骸クンと同じエストラレネーオファミリーでね、骸クンが脱走した時に取り残されていた子なんだ。」

「……」

「ショックかわかんないけど元は綺麗な紫色の髪だったんだろうね。あんなに真っ白になっちゃって…」

「っ!!それで…」


正チャンは気付いたようだ。

そう…僕と同じ、紫がかった白髪


確かに兄妹って言われたらふつーに信じられるだろうね。



「わかってるとは思うけど、白蓮にはまだ言ってないよ。言ったらどうなるか…わかってるね?」


正チャンからしたら、こんなの脅しにしかなってない。
そんなことはわかってる。

でもね、







「あの子は…大切なんだよ…」







(泣きそうなくらいに顔が歪んだ)

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