信頼
゚*-正一視点-*゚
「いいよ、傍にいてあげる」
その言葉に
酷く安心感を覚えた…ーーーーーーーー
《信頼》
今さっき出てしまった自分の言葉に動揺した。
確かに寂しいんだ、というのは理解出来ていた。
だけどまさか、
「いいよ、傍にいてあげる」
とか!!
自分でも何を言っているんだ、と思った。
恥ずかしすぎて顔から火がでそうだ…!!
そんなことを思っていると、ふと視線を感じた。
じーーーーーーー…
「う゛っ……」
『………』
白蘭サンと同じ薄紫がかった白髪、真紅の瞳、色白い肌、少しだけはだけているワンピース…
って何考えてるんだ!!
僕の胸の鼓動が少しだけ速くなった。
『な…ひと…』
「えっ?」
『へんな、ひと』
「え゛っ!?」
『さっきから、いろんなこと考えてる…』
「な、なんで…!」
『顔にでてる』
か、顔に出てたんだ…
てゆーか、"へんなひと"って…
以外に思ったことははっきり言う人なんだなぁ…
『私、貴方のこと、知ってる…』
「ええ゛っ!?な、なん…で」
『兄様が言ってた。からかいがいの、ある部下だって…』
「………」
び、白蘭サン…
妹にまでそんなこと…
しかもからかいがいがあるって…
まぁ嫌われるよりはいいかな。
『それに、しんらいできるって言っていた…でも、"しんらい"わからない…』
「っーーーーーーー!!」
この子は"しんらい"の意味もわからないままここまで育ったのか…
「び、白蘭サンに、聞いたことはあるかい?」
恐る恐る聞いてみる。
するとコクンと首を縦に動かした。
『兄様が、そう言った時に、聞いた。でも、白蓮は知らなくてもいいんだよって、いわれた』
「………」
知らなくてもいいって…白蘭サンは何を考えててるんだ…
"しんらい"の意味がわからなければ他にも解らないことが沢山あるだろう。
「知りたいかい?」
『…うん』
「じゃあ教えてあげる」
ーーーーーーー
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「ふぅ…」
人に何かを教えるのって大変だなぁ…
それに、
白蓮サンにこんなに知らない言葉があったなんて…
てゆーか言葉の意味を知らないからって白蓮サンに白蘭サンは何を言っているんだ…
もう教えてる僕が恥ずかしかったよ。
「もう教えてほしいことはないか…」
『しょーいち』
「ん?」
『ありがと…』
キュン
か、可愛い…!!!!
真紅の瞳が真っ直ぐ僕を見つめる。
それに僕の隊服をギュッと掴む仕草!!
「ど、どう致しまして…///」
すると、僕の隊服を掴んだまま、擦り寄ってきた。
「っ!!?///」
『少しだけ、しょーいちのひざで、寝ていい…?』
そう言われ時計を見るともうとっくに10時を過ぎていた。
そうだよな…
いつもならこの子は白蘭さんと一緒に寝ている頃だ。
「いいよ、お休みなさい。白蓮サン…」
『おやすみ、しょーいち…』
そうして暫くもしない間に白蓮サンは眠ってしまった。
(無防備に寝ている君の頭をなでた)
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