六天ニ散リユク花
覚醒ー清花ー
重い瞼を持ち上げるのに、苦労した。体中のあらゆる箇所が悲鳴を上げる。それでいて、右腕と左足の感覚は死んでいた。何も感じない。
ああ、私は壊れたのだ、と、清花は、大した感情も伴わずに、そう悟っていた。
だが、それでも、彼女は尚、もう一度目覚めたのだ。宿命に引きずられて。
そうである以上、清花は、まだ、動き続けなければならなかった。彼女の根底に流れる定めが、それを求めているからだ。
がらくたの山に埋もれて、滅び行くことを、彼女は、彼女たちは、まだ、許されてはいなかった。
だから、目覚めた。
清花は、右足の力だけで立ち上がり、あたりを見回す。
ついさっきまで、すぐ側に、梅鈴の気配があった気がした。
均衡のとれぬ体で周囲を探ると、何度も、転びそうになる。
だが、清花は、行かなければならないのだ。梅鈴の、そして、瑛蘭、玉林、紅耀、明月――彼ら――彼女の兄姉のもとへ――。
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