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六天ニ散リユク花
覚醒ー明月ー
 沈黙の夜が長い間――時の存在すら忘れ去るほどの悠久を――彼を支配していた。その夜が、今、明けようとしている。
 白い光が弱々しく差し込む中、明月は、うっすらと目を開いた。
 仙界は、相も変わらず、仙界で。見える景色は、眠りにつく前と変わらぬ、山また山。
 だが、仙界の住み人どもには雌鳳山が桜楼洞など既に忘却の彼方にあるか、もしくは、昔語りの語り草のひとつであるか、なんにせよ、過去の遺物と成り果てているのだろうことは、容易に想像がついた。
 いずれにせよ、この白日の気配に気づいたのは自分だけではあるまい、と、明月は、頭をもたげる。
 微かに、知った気配が、動いていた。
 瑛蘭、梅鈴、玉林、紅耀。
 清花は、まだ、目覚めぬようだ。いや、もう、彼女の目覚めは、叶わぬかもしれぬ。
 明月は、嘆息の中で、胸中に呟いた。

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あきゅろす。
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