六天ニ散リユク花
覚醒-紅耀-
紅耀が寝起きの体を気だるく持ち上げると、その胸の上から、腕から、ガラガラと音を立てて、埃を被った道具たちが、地面めがけて転がり落ちていった。
一度も使われることのなかった失敗作もあれば、壊れて使い物にならなくなったものもある。それらは全て、不要とされた宝貝。
紅耀は、宝貝の残骸に埋もれるようにして、長い眠りの時を過ごしていたのだ。
「……ふむ……」
どうやら、と、彼は、独りで頷く。
「王創よ……そなたの時が……また……動き始めたようだな……」
愉快、と、呟いて。
紅耀は、宝貝の山を、のそりと、降りた。
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