半熟騎士の日記帳
第一章 建国記念祭
ぱちくりと目をしばたたかせ、
「あれぇ?」
などと言っている。
ぎょっとして目を見開いたのは、ヤトである。
彼は、焦れたようなルイサスの声に促され、ようやく思い出したように、演奏を再開した。
二人の剣士の間に、閃きが交錯する。
そうこうするうち、昼も近くなり、今一度宮廷楽団が国歌の一節を吹き鳴らすと、子供たちの興奮は頂点に達した。
――我らは永久に共に在る
全てが朽ちて果てるとも
我らの強き名誉の絆
揺らぎはせぬと誓いてし――
高らかに「その」時を告げる、トランペット。
「結団式だ!」
幼い少年の甲高い声が響いた。
「結団式だ!」
すぐに同じ言葉で誰かが応え、その声が、さざなみのように周囲に広がっていく。
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