半熟騎士の日記帳
第一章 港町・シャロン
「なんだよー……また、バートだけぇ?」
不服を訴えるアシュレイを手でいなし、御者は、馬を止めて、名乗る。
「イヴンだよ。イヴン・マーカイン」
「イヴン?」
唸り、御者の全身を、まじまじと見つめる、アシュレイ。
くすんだ金髪に、水色の瞳。割に長身で、体格もがっしりしている。
「そ。俺、昔っから、馬が好きでさ」
並んだ馬の背を撫でながら、イヴンは御者台を降りた。
客室の方に、歩いてくる。
バートが扉を開けると、彼は、身軽な動作で、ひらり、と開閉部の床に飛び乗った。
片手で自分の体重を支え、にっ、と笑う。
「久しぶりだな」
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