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半熟騎士の日記帳
第一章 港町・シャロン
 バートも、同じように返す。
「 懐かしい……? そうか?」
「バートは、懐かしくないの?」
「懐かしいといえば、懐かしい、な……」
「なんだよ、それはぁ」
 納得行かない顔のアシュレイに、バートは、「ごめん、ごめん」とおざなりに謝る。
「…… けど。やっぱり、変わってるよ、この町も」
「なんで、そんなこと言えるのさ」
 彼らはついさっきこの町に着いたばかりで、町の入り口から、そのまま辻馬車に乗ったのだ。
 アシュレイは、頬を膨らませる。
 バートは、しばらく、呆れ顔でそれを眺めていたが、やがて、首を左右に振って、先を続けた。
「あの店だって、娘のロッテが店を継いだらしいし……」
 気のない声で、言う。
 もっとも、アシュレイにとっては、半立ちになって身を乗り出すほど重要な発言だったようだが。
「ロッテが?」
 彼は、全身で、もっと詳しく教えろ、と主張していた。
 バートはと言えば、呆れ顔をさらに呆れさせて、投げやりな口調で応える。
「ああ、彼女、もう結婚して、子供もいるってさ」
「嘘!」
 まあ、アシュレイが嘆くのも、無理はない。

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あきゅろす。
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