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お菓子も悪戯も




『トリーク オア トリート』



そう言って、アタシに差し出された両手
、両手って何だ。どれだけお菓子貰うつもりなの・・・

それに、にこやかに微笑んでるトコロ悪いのですが、蔵ノ介くん、


「、さっき皆に取られちゃった」



ああ、何だその笑顔・・・。怖いから色々


『お菓子持ってへんのやったら、悪戯す「結構です」』



蔵の言う悪戯は、きっとアタシが想像してるような純粋なものじゃないよね、絶対



「だって、アタシ持ってなかった訳じゃないもん。金ちゃんとか、光とか、小春ちゃんとか・・・。あ、そうだ」


小春ちゃんで思い出した、確か『お返しにあげるわ。蔵りんに難癖つけて襲われないよーにねん』とか言ってアタシのポケットに何か入れてたっけ



あいつ等、人ん彼女んとこたかりよって。部活ん時にどないしてやろ、なんて言ってる蔵



「ホラ、蔵、手出して?」


『、ん』



そんな蔵の包帯のまかれた掌にアタシは小春ちゃんから貰った何かを握った拳をおき、ゆっくりと拳を開いた



「、アメ・・・?」


『おん。や、てか、何で疑問形なん?』

「だって、小春ちゃんに貰ったんだもん。何だか聞かされてないし」



だから何だか分かんなかったの。って蔵のを覗き込んだら、つまんなそうな顔した蔵

ああ、ヤバい
と、とにかく話題をふらなきゃ




「あ、えと、な、何のアメだった?」



『んー、・・・?』



「へ?何、どうしたの?」




アタシがそう尋ねると蔵は無言でアメをアタシの掌においた


?別にどこも変じゃないし・・・。もしかして、溶けてたとか?

そうも思ってみたケド、触った感じ溶けてるような感触はしなかった





「へ?何何??なんか変な・・・、ん?」


よく見ると、アメの包み紙にピンクのペンで何かかかれていて



「あ、あたしに、いたずら・・・、してくださ・・・!!は?!何これ」


特に最後についてるハート


全部読み終わってから気付いたケド、今アタシとんでもないない事言っちゃった?!


や、流石の蔵もココ学校だし場所くらいわきまえてくれる、よね・・・?




アタシは恐る恐る顔を上げた



アタシの瞳に映ったのは至極満足げな顔をした蔵







・・・ああ、ヤバい


「オ、オオオサムちゃんに用があったから、アタシ行く、ね、ぇ!?」


一秒でも早く蔵から離れなきゃ、本能がそう告げて。デタラメ言って逃げ出した。そうなるはずだったのに、




「、く、蔵ノ介くん?離してくれないとオサムちゃんのとこに行けないかな〜・・・」


ガッシリと掴まれた右手




『イくイくって、そないにイきたいん?』



「な///そ、そういう意味じゃないから!///」



『ふーん。悪戯して下さいって言ったやつがなぁ。こない顔真っ赤にして言うても説得あらへんで?』



アタシは反論も出来ず、俯く



『ちゅうワケで、いただきます』





あきゅろす。
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