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財前 光
あたしが恋した彼は、少し嫉妬深いピアスくん



「、また??」

よりによって何で何ですか、神様・・・








「さ、寒い、寒過ぎる・・・!!」


「あー、ヤバい。風邪ひくわ」



うー。
ホントに寒い。体育館にいるのにこの寒さってどうなの??

「しかもバレーとかね!絶対痛いじゃん」



今週から、変則日課とかなんとかで普段の日課と違って。1限目から体育とか、寒いし最悪・・・

まあ、外で持久走やってる男子に比べたら相当マシなんだけど・・・



「まあ、でも、アレやね男子に比べたらええやん。それに、なんや、2年の男子も体育館みたいやし」




可愛え子おらへんかなー、なんて言いながらキョロキョロしてる侑葵は我が友達ながら正直気持ち悪い


というか、3年男子は外で持久走やってるのに、2年は体育館って・・・
、ま、ドンマイだよね




「あの子、綺麗やなー」


「うん。分かったからホラあっち行くよ」



最初はペア組んで練習。だから、ボールが必要で。あたしは侑葵を引きずって歩いた



「、名前ー、アンタその細っこい身体のどこにうちを引っ張るだけの力が、あ」

「ん?何」


何かと思って振り向けば、侑葵は開いた扉から校庭を見ていて



「あれ、白石やない?こっちに向かって手ぇ振っとるケド」


「、ぁ、ホント・・・」




物凄ーく爽やかな笑みを浮かべて手を振っている白石くん


うん。相変わらず美形だね


「隣におるのは、忍足やな。名前モテモテやな〜。手振りかえしてやったら?」


「それ、大きな勘違いだから。聞かれたらファンの子に殺されかねない発言は慎むよーに。一応手は振るケドさ」



そんなに大きくは手を振れないから・・・
っていうか、ファンの子に見つかったら後が怖いし
だから、肘を曲げたまま白石くんに小さく手を振りかえした



そしたら忍足くんも何で白石くんが手を振ってるのかを理解したみたいで、向日葵みたいな笑顔で大きく手を降ってくれた




ぉい、何か照れるじゃないの

だなんて自惚れてみて
だって、あんなイケメン2人に手を振ってもらえてるんだもん


もし、もう一つ我が儘が許されるなら、あそこに財前くんがいてくれたらもう、文句なしだよね
まあ、絶対手は振ってくれなさそうだケド


「あ、さっきの綺麗な子・・・」



「、何してはるんですか」





先輩、だなんて財前くんの声が聴こえた。気がした


あたしの財前くんに対する熱もハンパないのね
幻聴までするなんて



幻聴でも財前くんの声聞こえたら嬉しくって
柄にもなく大きな声で白石くんと忍足くんに「二人とも頑張ってね」ってエールを送った
その矢先





「あ、名前ちゃん危ない!!」


「え?なに゛、っ?!」


振り返ったあたしの瞳に目一杯映し出されたのは、バレーのボールで・・・


またぶつかるの??
しかも、今度は顔面とか・・・
いくらあたしだって、そんな捨て身のウケ狙いなんてできない




あたしって何てツイてないの・・・







「、苗字先輩もほんま鈍臭いスね。避けりゃええんに」


、ん?
あ、れ?ボールは・・・?



「名前先輩のくせしてよそ見なんてしとるから、こないな事になるんやで?」




「ざ、財前くん・・・?」



何故か目の前にはボールを持った財前くん




「せやから、あんたはオレだけを見とったらええねん」





(、?!///) (あー、助けたったお礼に今度善哉奢って下さい。もちろん二人だけで) (え、あ、是非!)

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