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白石 蔵ノ介
そんなのって卑怯だから

キーンコーンカーンコーン

『バイバイ』

『ほな、また明日ね』

『あー、部活しんどいわ』


今日も1日何事もなく終わりをつげる・・・はずだった
佐藤さんが休まなければ・・・
(カムバック佐藤さん!!)


自意識過剰な君との一週間 02


「じゃあね、名前ちゃん。部活頑張ってな」

「ぅん。璃子も頑張って。バイバイ」

友達を一通り見送り、教室を見渡せば先程までなの騒々しさが嘘の様に人がいなかった

(皆どんなけ部活に行くの早いんだよ・・・)


カタ

「さて、あたしも部活に−・・・。何かな?白石くん」

エナメルバックをしょっていざ、歩きだそうとしたら右腕を掴まれる


「とぼけたらアカンで、名前ちゃん?」

さっきまでこの人いなかったよねぇ?!
てか、その笑顔怖いです

「な、何の事かな?あたし、これから部活に行かないと」

「・・・」


そう言って白石を見てみれば、
無言で虚空に日誌をヒラヒラとさせている

・・・。あたしに書けってか 
でもまあ、黒板は消すの任せたしな(大体、あたしじゃ身長が足りない)

しょうがない、ここは一肌脱ぐか

「イイよ。あたしが「ほな、二人で書こか」」

ん?あたし一人じゃないの?

「え、白石に悪いから、あたし一人で書くよ?」

「名前ちゃん今日から週直になった事、顧問に言うた?」

そういえば・・・

「言ってない、かも」

「それで部活に遅れて行ったら顧問に何か言われるやろ?」

「うっ。どうしよう」
先生、怒ると物凄く怖いんだよね・・・

「そこでや。オレが一緒にいたら顧問も納得するやろ」


「じゃあ、お願いします・・・」

「おー。ほな、とりあえず座ろか」

そう言うと、やっと掴んでいた手を離してくれて、
近くにあった机を二つ向かい合わせになるように移動させる白石

黙っていたらカッコイイのに・・・。とか思ってしまう
一連の動作が終わり、白石が椅子に座ったので、あたしも彼とは向かい側の椅子に腰を下ろした


「えと、1限目は・・・。アレ、何だっけ!?」
ヤバイ、最近物忘れが悪化してきてる

「1限目は、数Aやろ」

「数Aっと。・・・だからか、覚えてないのは」

「何で?」

「何でって?白石、君はあたしがどれ程数学嫌いか知らないでしょ」 

「おん。そんで、どん位嫌いなん?数学」

「え?そりゃあ、数学なんてこの世から滅びればイイと思う位に??てか、算数で十分と思わない!?平方根とかさ、使わないでしょ日常で」

「ブッ。どんなけ数学嫌いやねん自分」

あたしが数学嫌いを熱弁していたら、急に吹き出す白石

「なっ。頭のイイ白石くんには馬鹿な人の気持ちなんてわかんないですよ。どうせ」

もー、人がせっかく残って日誌書いてあげてんのにっ
ふて腐れたあたしは、下を向いたまま日誌を書き始めた

「・・・」

「・・・」

自分で作り出した雰囲気ながら、気まずいね

「焼けたな、名前ちゃん」

は?

いきなり何を言い出すんだこの人は


視線を日誌に並べた文字から目の前に座っているひとへと移すように顔をあげると

「っつ///」

何だか知らないケド、とても優しい笑顔であたしの頭を撫でてきた

「部活頑張ってんねんな」


も、なんなのよこの人

「無理して体調崩すんやないで?って言うても聞かへんのだろうケド」

って苦笑する

そんなのって卑怯だから
 
 
(あ、あたしもう部活行くから!)
(ちょお、名前ちゃん?日誌はどないすんの?)
(あたしが先生のトコに出してく)
(やったら、オレも行かへんと)
(ホントにイイから、そのくらい1人でも大丈夫だもん)
(そしたら今までオレが一緒におった意味なくなんで?)
(! じゃ、じゃあ、昇降口にいて。じゃあね!!)
 
(急にどないしたんやろか)

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