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R18短編集
たった二人の生徒会
 日は大きく傾き始め、空を紅く染め上げる。

 グランドや体育館には、部活に励む生徒がまだ残っていた。

 校舎に残っているのは職員室にいる教師と、文化系の部活で残っている生徒が少数だ。

 その少数の生徒も帰宅し始めており、校舎に残っている生徒は皆無に等しい。

 正確にはゼロではない。南校舎の三階の奥。生徒会室にて作業を続けているのが二人いる。

「……か、会長」

「なぁに?」

 この学校の生徒会長を務める天上院麗華(てんじょういんれいか)と、副生徒会長として補佐を務める一条瑠美(いちじょうるみ)である。

 現在生徒会はこの二人しかいない。

 以前は役割分の人数は確保出来ていたものだが、麗華が二年で生徒会に所属すると、その恐るべき有能ぶりを発揮したのである。

 麗華一人で大半の仕事を片付けてしまうので、生徒会の人間の中に暇を持て余す者が必ず現れてしまう。

 その為、麗華が生徒会長に就任する頃には、瑠美しか残らなかったという構図である。もちろんそれだけが原因ではないが。

「まだ仕事が……」

「あら、あとはもう明日に回してもいいはずだけど?」

 麗華が席を立って瑠美に近付いた。クオーターである麗華は、輝いても見えるブロンドヘアーをかきあげる。

 淡麗な顔を近付け、瑠美に迫る。普通ではない距離の近さに瑠美は戸惑いを隠せない。耳元に息がかかり、甘美な囁きに瑠美は鼓動が高鳴る。
 
 しかし、それを認めるわけにはいかない。会長に悟られるわけにもいかないと、目の前の仕事にペンを走らせる。

「こっちを見なさい、瑠美」

「あ……」

 右耳に触れる麗華の息遣い。何度も味合わされた柔らかい唇。
 
 それが、自分の名前を紡いだ。
 机の上に落としていた視線は、麗華へと向いてしまう。

 改めて、同じ女である瑠美から見ても、美しく整った顔立ちの麗華が、自分を求めている事実を思い知らされる。

 麗華の透き通るように白い指先が、大和撫子のような瑠美の長い黒髪に触れた。そして次第に、瑠美の頬を優しく撫でる。
 
 そこまで来ればもう、麗華から目を反らすことが出来ない。

「ふふっ、可愛い」

「……っ」

 有無を言わさず、麗華は瑠美の唇を塞いだ。最初は奪うように。そして、ゆっくりとついばむように重ねる。

 柔らかくてほんのりと甘いキス。

 学校で、しかも同性なのに。不貞を働いているという背徳感のせいだろうか。

 ぞくりと背筋に何かが走るのを瑠美は感じていた。

 次第に瑠美の口から吐息が零れてしまう。

「むちゅ、ちゅ……ふぅん、はぶっ、……んちゅう、むふうぅん……」

 少しずつ身体が反応してしまう。

 逃げようとしても、麗華がそれを許さない。

 何度も何度も、深く繋がろうとするように、麗華は瑠美の唇の感触を味わった。

 快感に身を委ねてしまいそうになりながら、瑠美は理性だけで身体に力を込める。

 しかし麗華から見れば脆い防壁である。いっぱいいっぱいの瑠美の隙を狙い、瑠美の口内へと舌を滑り込ませた。

「はっ、ぢゅれろっ、んはっ、れろおっ、んぢゅ、はむぢゅ……んんっ、ちゅぅ……」

 唇だけでなく、舌の挿入を許してしまう。

 逃げ場などない。瑠美の舌は、麗華に捉えられ、まとわりつくように舐め取られてしまう。

 ビクンと身体を震わせ、嫌でも身体に快感を教えられる。
 
 いけないことなのに。

 そんな考えも次第に頭から取り除かれる。

 すっかり反応している身体の方に支配され、目の前の麗華のことしか映らない。
 
 キスする度に教え込まれた快感は、瑠美の腰の下にも影響を与え始めた。

「瑠美ももっと舌を動かして」

「やぁ……はぁん、むちゅ、ぢゅぶっ、んむちゅれろぅ……はぷっ、むちゅう……」

 返事をする間も無く、瑠美は再び唇を塞がれてしまう。

 麗華の舌が、瑠美の口の中を這い回った。
 
 唾液でヌメった舌にかき混ぜられると、まるで麗華の口内を犯されているように感じてしまう。

 忘れられないように、麗華は舌の味を瑠美に刻み込んでゆく。

 唾液が混ざれ合う感覚に、瑠美は身体をびくびくと反応させた。

 理性で耐えていた疼きはやがて下へ下へと伝わってしまい、瑠美は無意識ながらに、太股をこすり合わせていた。

 その反応を見逃さない麗華は、さらに強く瑠美を求めた。

「んむぅ……ぢゅぅれろっ、はぶっんふぅ、んちゅ、ちゆぅ……」

 麗華の右手が、瑠美の太股を這いながらその奥へと伸びた。

 慌てて瑠美は遮ろうと試みるが、麗華は抵抗など許さない。

 あっさりスカートの中に侵入すると、可愛い薄い桃色の下着を指で撫でる。

「うぅんん……」

 びくっと反応する瑠美。麗華の目がいやらしく笑ったような気がした。

「……瑠美ったらキスだけで濡らしたの?」

「ふぁっ、あっ……、そ、そんなこと……」

「ふぅん、じゃあこの音は何かしら?」

「あっ……はう、んん、んぁ……そ、それは……」

 下着が湿り気を帯びていたことに麗華が気分を良くしたらしい。

 留まることを知らず、麗華は下着の内側へと手を差し入れる。

 直接秘部に触れられると、瑠美の身体に電流のような衝撃が走る。

 ゆっくりと、焦る様子はない。

 瑠美の敏感な箇所を的確に刺激していく。

 止めようと伸ばした右腕は麗華の左手に捕まってしまう。

 責め立てる麗華の右手を瑠美が左手で掴んだが、秘部をこすりあげる動きを止めるまでには至らなかった。

 麗華にしてみれば、まだ始まったばかりだというのに、瑠美はもう快感に抗えなくなっていた。

「瑠美は此処が良いのよね」

「あぁぁ……、ダメですそこはぁ、くうぅ、んん、はあぁ……んはあぁ…」

 既に反り立っていた、いやらしい突起に麗華が触れた。

 瑠美の秘部から分泌される愛液で洗うように、丹念に刺激を繰り返す。

 恥ずかしそうに、瑠美は声を出さないように力を入れていた。
 
 だが麗華の指の動きは激しさを増し、瑠美は甘い声を漏らし始める。

「はぁ、ぁん……かい、ちょう、もっ、やめ……んむっ、ぁはっん、」

「クリトリス弄られて感じちゃってるのよね? 認めるまで止めないから」

「そん、なの……はぁぁ、んくぅ、あうぅ、おねが……もうぅ……」

 ろくに舌が回らない瑠美は、淫靡な吐息を履いていた。
 
 とろけるような顔でなすがままになっている瑠美を見た麗華は、我慢が利かなくなり、瑠美の半開きの唇に吸い付いた。

「ん、んんむっ、……んんんんんっ、ぢゅるっ、んはあっ、はぁ……」

 いきなり塞がれ、舌を吸われてしまう。
 
 準備もなかった愛撫に、瑠美はあっさりとイかされてしまった。

 びくびくっと身体を大きく震わせると、そのまま椅子に身体を預けてしまう。

 口からは涎を垂らし、ずらされた下着の奥からは溢れるように愛液を滴らせていた。
 
 その姿は生徒会副会長の威厳など欠片もなかった。

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あきゅろす。
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