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FANCY
Re:Re:


「……杏……ごめん……別れて……」

紡がれたのは、一番聞きたくない言葉。
それを言って逃げる結音を、僕は追うことができなかった。
理由は一つ。
衝撃過ぎて飛び起きてしまったのだ。
息が切れて、呼吸が難しい。

――なんだ、あの夢。

なんでこんなに鮮明に残ってるんだ?
いつも通り、ぼやけてくれよ。
僕は頭を抱えて小さくなった。
嗚咽が漏れて、目から水滴が落ちる。
部屋の隅でただ頭を抱えて嗚咽を漏らす。
その時に、アラームが鳴った。
結音が好きな曲。
無理矢理送ってきた曲。
歌詞も覚えてしまった。
カラオケで歌わされて。



君を待った
僕は待った
途切れない明日も過ぎて行って
立ち止まって振り返って
とめどない今日を嘆き合った
記憶だって 永遠になんて
残らないものとおもい知って
僕はずっと掻きむしって
心の隅っこで泣いた
そしてどうかなくさないでよって
高架下、過ぎる日々を
後悔してんだよって そう言い逃したあの日
繋ぎ合った時もあった
ほどけない感情持ち寄って
それが僕のすべてだった
それもたった今 失くしたんだ
形だって 時が経って
変わりゆくものとおもい知って
僕はずっと掻きむしって
塞がれた今日を恨んだ
そしてどうかなくさないでよって
高架下、過ぎる日々を
後悔してんだよって そう言い逃したあの日
君を待った
僕は待った
途切れない明日も過ぎて行って
僕は今日も掻きむしって
忘れない傷をつけているんだよ
君じゃないとさ




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