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FANCY
Re:Re:


お風呂から出てベッドに倒れ込み、携帯を弄ってアラームを設定したり、メールをしていると12時を回っていた。
流石に学校初日は生活サイクルが整っていないため、睡魔に襲われた。



――嗚呼、また同じ夢だ。

それに気付いたのは、肺と心臓が破裂しそうなくらい走っていたから。
場所もいつも通り河原。
僕っていつから走ってるんだ?
そんな疑問を余所に、僕は走り続ける。
何か魔法的なものがかかってるみたいに、足は自動で動いてしまう。

――止まってみようか。

この夢を終わらせるために。
そう思っていると、自然とスピードが緩んだ。
呼吸を整えてから、振り返った。
――――何もいない。
追いかけて来るのが彼女だと、結音だといいなって、少し思った。
しばらくして、何か足音が聞こえた。

――結音?

いや、小さい。
幼稚園時代じゃないか?
幼稚園から一緒だと、なんとなく解る。
幼稚園時代の結音は、僕の前で立ち止まって見上げた。

「きょうくん、ゆいねをおよめさんにしてね」

はっとした。
そういえばこの台詞、聞いたことがある。
幼稚園時代の結音はその一言を言うと、返事も聞かずに走り去った。

「……立松くん」



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あきゅろす。
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