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FANCY
Re:Re:


特にイチャイチャするわけじゃない。
そりゃあ男としては進展したいとは思う。
でも結音には結音のペースがあるだろうし、無理にしようとは思わない。
デートと言ったって、カラオケもあればボーリング、遊園地――はカップルっぽいけど――お互いの家で勉強会だってある。
僕はそんなに盛ってるわけじゃないから……って何言ってるんだか。
とりあえず、僕は彼女を家まで送って帰るという日課をソツなくこなすのだ。

「じゃーな」

僕がその台詞を言うと、彼女も頷く。
"お別れのキス"とか、出来るわけないだろ。
なんで人ん家の前で人様にそんなことを見せねばならんのだ。
それは彼女も同じらしく、聞いてみたら引かれた。

「あんまり気を遣う彼氏って嫌。言いたいことはハッキリ言ってほしい。私も我慢するのあんまり好きじゃないから愚痴ったりするかもだけど、気を遣わなくてもいい彼氏がいい」

それが彼女の持論である。
僕も賛成だ。

「トモダチって気ぃ遣うから疲れる」

これも彼女の言い分。
ネチネチした女子が多いから仕方なくそんな感じの人とトモダチになってしまうのだと。
「だから私、男の友達関係の方が好きなの」

それが理由でか、彼女に男友達は多い。
そっちに靡かれるのはショックだが、友達としてなら止めはしない。
何処かに遊びに行く時だって、女子ばっかりとか以外は大概僕も誘われるのだ。
僕は家に着いて、疲れの溜息を盛大に吐いた。
着替えもロクにせず、僕はいつも通り過ごす。



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あきゅろす。
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