FANCY
Re:Re:
わざわざ教室に戻って掃除なんかをやらされ、何処も同じであろう注意を聞き流し、解散となった。
僕は遊びに行こうという友達の誘いを断り、帰路についた。
なんとなく空を見上げながらトボトボと歩いていると、いつの間にか川の橋を歩いていた。
「なんだろなー」
「何が?」
独り言に返答。
隣には女子。
いつも通り隣を歩く、僕の彼女。
「夢」
「夢?」
あれ、なんかこの会話……。
「半年前もそんなこと言ってたよね」
「覚えてたんだ」
「杏も?」
杏と言うのは僕の名前だ。
立松 杏(タテマツ キョウ)。
昔っから初めましての人には"あんず"とか呼ばれる。
女じゃありません。
れっきとした男です。
「どんなのだっけ?」
結音はこめかみを指で解すようにしながら唸った。
「河原で追いかけられてる」
「そう!!よく覚えてたね」
そりゃあ週一ペースで見てますからねぇ。
僕は小さな溜息を気付かれない様に吐いて、歩みを続けた。
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