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FANCY
Re:Re:


「ふーん」

あんまり詮索しないのも結音のイイトコなのだが、聞いて欲しいとこもスルーされるのがたまに傷だ。

「僕さ、逃げてたの」

反応を無視して言う。

「なんか解んないんだけど、何かに追われてた。そんで、ここの河原をずーっと走ってんの。でも逃げられなくて……」

「大変だったねー」

僕が反応を見てみると、案の定薄い。

「反応薄いな。僕物凄い頑張ったんだよ!?」

「でも夢でしょ?相手も解らないし、理由も解らない。そんな夢、夢で終わらしちゃいなよ」

彼女はしれっとしていた。

――まぁそうなんだけど。

「夢なんて考えて悩むだけ無駄だと思うなー」

最終的にはその一言で一蹴されてしまった。



それから半年。
正月明け早々の始業式。
なんでこんな糞寒い中、冷たい空気がグッサリ致命傷を与えそうなグラウンドで校長の糞長い話を聞かねばならないのだ。
聞いている奴なんていないだろうに。
全校生徒が体育館に入れないからってグラウンドってなんなんだ。
僕は悪態を吐きながらダラダラと地に足をつけていた。
寒くて凍傷になるのではと心配した頃、やっと終わった。




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