FANCY
Re:Re:
汗だくで熱中症になるのではと心配した頃、やっと終わった。
わざわざ教室に戻って掃除なんかをやらされ、何処も同じであろう注意を聞き流し、解散となった。
僕は遊びに行こうという友達の誘いを断り、帰路についた。
なんとなく空を見上げながらトボトボと歩いていると、いつの間にか川の橋を歩いていた。
「なんだったんだろなー」
今朝の夢をなんとなく覚えていて、なんとなく呟く。
「何が?」
独り言に返答。
隣には女子。
いや、まあ、彼女、恋人と呼ばれるものだ。
クラスの中でも可愛い方で、性格もサバサバしている。
所謂ボーイッシュ女子だ。
僕は女子のネチネチした団体行動派があまり好きではないし、彼女――中原 結音(ナカハラ ユイネ)もそうだと言っていた。
結音は持ちつ持たれつの友人関係を変化させることなく僕と付き合っている。
「……なんか着いてる?」
「え?」
いつの間にか見つめていたようだ。
「いや、なんも着いてない」
僕はそれだけ答えて歩を進めた。
「それで?何なの?」
あぁ。
「夢」
「夢?」
「うん」
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