FANCY
終焉 は 近い。
僕の手は驚くほど赤かった――。
赤い紅い朱い液体で染まる戦場。
まるで赤い花弁が舞い踊るように。
僕の掌も、赤い。
この風景、場面、なんでもいい。
この場から『効果音』を取り除けば、無音の世界が広がる。
或いは叫び、或いは咆哮、或いは……。
だが、数時間前まではもっと音が溢れていた。
耳を覆いたくなる程に、溢れていた。
今は、寂しい。
終焉 は 近い――。
もうすぐ、どちらかに哀しみを含んだ喜びが生まれる。
一国の勝利。
あぁ、なんて愛しい(カナシイ)世界。
踊り狂っているように。
僕は君を哀す――。
僕が君を殺した。
君ガマダ生キテイルノナラ――真夜中3時ニお茶会ヲ開コウ。
僕の国が勝利なら、君を嘲笑い(ワライ)に行こう。
だけど、
鳥かごの中はあまりにも心地よくて、僕は羽ばたく事を忘れた――。
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