VIOLENCE LOVE
『やがまさん!』
「でーじ、わじわじぃする」
(とても、イライラする)
「……あぁ?」
ゆらっと立つ。頭が揺れる。それもそのはずだ。頭を触れば割れるように痛く、手にはべっとりと赤い液体が映っていた。
…またか、
「やー、くるす」
(お前、殺す)
「あ?何言ってんだ?殺すぞ」
「ワンじゃんかったら死んでた」
(私じゃなかったら死んでた)
「俺でもそのくらいじゃ死なないな」
沖縄の方言を感覚で意味をつかんだんだろう。それとなく言葉を返してきた。
男はちょっと収まってきたのか、笑みさえ見える。
何だが、「張り合える奴を見つけた」とでも言うように…
対する私も無意識のうちに笑みを浮かべている。
…張り合いたい奴を見つけた
そう思った。
「…たっくるす」
(…ぶっ殺す)
「さっきから何語だ?あ?」
「やがまさん!」
(うるさい!)
それと同時に、投げられたばかりの自販機を持ち上げ、平和島静雄に再度、
投げ返した。
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