VIOLENCE LOVE
相談
「と、言うわけなんですよ!どう思います!?トムさん!」
「どう思うって、そりゃあ…俺からは二言しか言えないべ」
「何と何ですか?」
「ひとつ、うまくのせられたな臨也の奴に。ふたつ、静雄らしいじゃないか」
今、私は某飲食店の中でトムさんとトークの真っ最中だ。
まぁ、成り行きを説明すると…私が、静雄さんにキ、キスをされてからぼーっと座っている時に現れた救世主様がこのトムさんだ。仕事が早く片付いたトムさんが偶然動かない私を見つけ、引きずるように店内に連れて行き、事情を聞いて、現在に至る。
うん、ごめんなさい。迷惑かけて。
「うまくのせられたって?」
「いや、なんつーか…うーん。何を考えてっかわかんねぇからなぁ…」
「静雄さんが言うノミ蟲って言うのが、あの人ですよね?…でも静雄さんが言ってるのとまったく違う人でしたよ?」
「騙されたらマズいぞ。ゆかりちゃん」
「…え?」
トムさんが頭を抱えながら、話し始めた。
「最初に会った時、どう思った?」
「危険、危険…近寄るな……」
あれ?
そこまで言っておかしいことに気がつく。
「ほらな。のせられてるべ」
「え、でも」
「俺は、ゆかりちゃんと静雄が付き合うことになったらそりゃあ、大歓迎だぜ?でも、バックに臨也…って、なると話は別だ」
「そこまで…ですか?」
トムさんは困ったように頼んでいたコーヒーをすすった。
「アイツはガチで静雄を殺そうとしてるからな」
「…!?」
こ、殺っ!?
殺人ですか!?
ないち(沖縄以外の都道府県)怖い!
いや、沖縄でも怖いとこは怖いけどね!
「もしかしたら、まあ、仮定としてだが、付き合うことになったら……絶対にゆかりちゃんを弱みにしてくるな、こりゃ」
「そんな〜…」
机に突っ伏した私に笑いながらも、「まぁ」と続けた。
「静雄とゆかりちゃんなら大丈夫だとは思うべさ。だから頑張れな。応援はしてやるよ」
「トムさ〜ん!にふぇーでーびる!」
「……どういう意味だべ?それ?」
「ありがとうございます!です」
そう言うと、トムさんは笑って「どういたしましては何て言うんだ?」って返してくれた。
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