VIOLENCE LOVE
『二人の世界』
ガチャ。
新羅さん達とお茶と沖縄の話で盛り上がっているときに玄関ドアの開く音がした。
私を含め、三人ともドアのある廊下に注目する。
すると、すぐに焦ったように歩く、ドタドタという音がなった。
駆け込んで来た者の正体は、PDAを片手に持った首なしライダー。
『し、ししし新羅!また出たぞ!あの白バイ!!!!!』
セルティさんは、私と静雄さんに目もくれず、新羅さんに一直線に向かって行き、ソファに座った。
座ると言っても、背もたれに頭をくっつけ、通常とは逆むきに正座をして座っている。
指をソファの背もたれにギチギチとめり込ませてガタガタ震えている。
『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい―…』
PDAにその単語がズラズラ、ズラズラと並ぶ。
そんなライダーの肩を優しく新羅さんが包みこむ。
「セルティ、ほら落ち着いて」
『そ、そうだな…』
完全に二人の世界に入っている者達をぼーっと眺める。
「邪魔そうだし、帰るか」
「……そうですね」
二人がどういう関係なのか知ったのは後のことだが、ここは一つ、早めに引き上げることにした。
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