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I wasn't left alone(雲ツナ)



遅い…遅い…
………綱吉が来ない
いつもならもう来ている時間なのに、どうしたの綱吉…





I wasn't left alone





「委員長…」
「草壁、君はもう帰っていい」
「………はい」



草壁は一礼して応接室を出ていった



先程まで明るかった空はもうとっくに日が暮れ、空は真っ暗になっていた
しかし綱吉はまだ来ない…

今日は珍しく赤ん坊との修業が無いので久々に二人で出かけようと約束していたのだが、約束の時間が過ぎても綱吉が来る気配が無い
携帯に何回も電話したけど出ないし、いつも一緒に群れてる忠犬にも聞いたけど分からない
一体どうしたの、綱吉……


雲雀がふと窓を見たその時聞き慣れた足音が聞こえた




―――ガチャっ


「す、すみません雲雀さん!!遅れました!!!」
「綱吉!!」


雲雀は綱吉の前まで行くと綱吉の右腕を掴み、自分の腕の中に閉じ込め抱きしめた
ここに綱吉がいるのだと確認するように


「………すみません雲雀さん、用事が延びちゃって」
「携帯はどうしたの」
「えっ、あ、電源切れちゃって」
「……まったく君って子は」



僕が呆れたように言うと綱吉は小さく笑っていた
まったく君の事を言ってるんだからね


「雲雀さん」
「ん?何?」
「大好きです」


綱吉は恥ずかしそうに、けれど幸せそうな笑顔で言った
雲雀は綱吉の笑顔を見て、少し顔が熱くなるのが分かる
そして抱きしめる力を少し強め、返事を言う



「僕は大好きじゃないよ」
「えっ……?」



僕は君を―――







「君を愛してるよ」

「雲雀さんっ!!」


綱吉は顔を真っ赤にさせながらも、幸せそうに笑い、ぎゅっと雲雀を抱きしる力を強くする
一方雲雀も綱吉のその笑顔につられるように笑顔になった


君が来てから僕の世界は変わったよ
そして君と一緒にいられる幸せを知ったんだ



「綱吉、愛してる」
「俺も、あ、愛してます」



雲雀は綱吉を抱きしめながら、何かを誓うように彼の唇へとキスをした







I wasn't left alone.
僕は独りぼっちじゃなくなった






 

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あきゅろす。
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