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*死帳噺*
満月に照らされた最後の言葉。月L
「あっ…あっ…!
ひゃ…はっ…月く…ん…っ!」


「もうイきそうなのか?
しょうがないな…」


ぐちゅと鳴り響く
この部屋で竜崎と交わる


これで何度目なのか
わからないぐらい


無意味な行為を続けて…
本当に馬鹿で


くだらない…


「あっ…も…っ…
イきます…っ…!」


「僕もだよ…」


理由の持たない熱を
竜崎の中に吐き出して


事は終わる


何時もと変わらない事
愛のないセックスなんて
慣れている


所詮、僕と君は
敵同士なんだ


このノートが手元に
ある以前に……


"愛してはいけない"


僕は君を愛してはいないんだ


君が僕にどれだけ
愛を囁こうが


関係なく君には


恋愛感情なんてない


「…月くん」


「ん?なんだ竜崎」


「…愛して…います」


呪文の様に繰り返す
その言葉は

行為の後に必ず
囁かれる


僕は其れに答えない


ただ無感情な気持ちのまま
抱き締める


竜崎は気付いているのだろうか


僕が愛してもいないのに
躯を重ねる事を










貴男に愛などないのに
心は、躯は…


貴男を求めてしまう


執着し過ぎたのだろうか
それは私には解らないもので


初めは、ほんとに
友達だと想っていたから


それにキラとしての可能性は
少なからず5%含まれていた


だから、ずっと一緒に居たのに


気が付けば私は貴男を


愛していた…


彼が弥を愛していないように

私も愛してはいないだろう


それでも愛していると
伝えてしまうのは


己の中に眠る"本能"なのか


"愛"を気付かせてくれた貴男は


"愛情"がなくてただ私を抱く


誘うのは私だ


彼からは求めてはこない


心も躯も彼が欲しくて
彼の全てが
私のものになれば良いのに…


何時もと同じ様に
彼と過ごしたあの部屋で


虚しさと共に交わる


「…口に含んで良いですか…?」

「いいよ…」


私は彼の前で膝を付き
手を伸ばしファスナーを開ける


其処から起ち上がっていない
性器を取り出し舌先で先端を
舐めていく


「んっ…ふ…はぁ…」


ちゅぷ…ちゅると卑猥な音を
淫らに響かせる


彼が私を愛してはいないのは
わかっているから


せめて躯だけで良いから
溺れさせてみたい抱かれる度に
堕ちていくのが
今は心地良いから…


彼の性器をしゃぶり尽くす


脈打つコレを
早く私の中に
入れて掻き回して欲しい…


「ん…ぅ…ん…ふ…」


「此処、辛そうだね?」


彼の足が私の股をまさぐり
既に勃起している性器は
張りつめている


思わず含んでいた性器から
口が離れ声を上げた


「ひゃぁ…!あっ…
そんなぁっ…!」


ズボンの上から器用に
私の性器をなぞる


「竜崎はマゾなの?
フェラでこんなに起たせて…
ほら、ちゃんとくわえて
僕をイカせてくれるだろ?」


こんな状況でも楽しむなんて
本当に最低な男だ


「あっ…ちがっ…!
…んっ…!」


頭を押さえ付けられ
口に潜った性器を
噛まない様に吸う


「はは、良い子だ…」


彼は足を止めずに
私の性器を刺激する


辛くてどうしようもなく
ただ思考は彼をイカせようと
本能のままに動いた


「んっ…ふ…!!」


「もう…出すよ…っ…」


彼はぶるっと躯を震わせ
私の口内に精子を吐き出した


「…ん…」


ゴクっと喉を鳴らし
精子を飲み込む


ほんのり甘くて苦い…







なんでこんな事を
しているのかは


きっと僕にも
竜崎にもわからない


ただ、躯の繋がりを
求めているのは確かだ


自分からは求めはしない


"愛"していないから


だから抱く、だから無言のまま
抱き締める


「此処が良いのか?」


竜崎の性器を手で扱き
舌先で胸の突起物を犯した


「はぁ…!
あっ…あん…っ!」


しがみついてくる
竜崎の爪が背中に食い込んで
少し痛みを感じた


「挿れるよ?」


鈍い音が聞こえる
そんなものは関係なく
この行為に意味も理由もない


「ひっ…!あぁっ…!」


腰を持ち上げ奥まで深く貫く


「はぁっ!…あっ…!
あっ…!あんっ…!!」


もうこんな事
終わらせなければいけない


「そんなに良いのか?
竜崎…」


激しく中で掻き回し
出し入れを繰り返す


「っ…!!…ひぁ…!
もう…もうっ……っ!!」


竜崎の締め付けと
同時に二人で熱を放った


…終わらせなければいけない

この関係を
全てを


キラとLの結末を


君に今、最後の言葉を……



「…竜崎…、もう終わりにしないか?」


二度とは戻れない
関係に縋っていたのは
竜崎?それとも僕?
「…何を終わらせるんですか…?
初めから愛してなどいないくせに…」


月日を重ねる事に
君は狂っていった


抱く程駄目になる事まで
わかっていたんだ


その度堕ちていく
自分さえ気が付かないままに


「…この関係に意味など無い…」


「……それで終わりですか…?
私と貴男は……」


言葉が出ないんだ


君に対しての非愛情が


引き止める
細くて白い腕


苦悩を物語っている
漆黒の大きな瞳


僕にはそういう
麗しい感情なんてないんだ


「…あぁ…」


濡れた瞳と震える肩を
感情も持たずただ眺めて


酷くぼやけた
竜崎の後ろ姿を
感情も持たず


ただ眺めてた


カーテンから射し込む


満月の光


照らされた二人の影


最後の行為


言葉は囁かれなかった…
















*終*


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あきゅろす。
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