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*死帳噺*
春ニ散リケリ身ハ枯レルデゴザイマス。月L
どんなにわたくしが
貴雄を愛しても


春には枯れ逝く
宿命ですもの


何度も何度も
貴雄をふり向かそうと
唄叫(うた)った「巡恋歌」
いつ届きますか?







夜神 月…
貴男を愛した事
不幸だと思っていません


貴男の為に散れるならば


「殺さないのですか?」


目の前にはデスノートを
持った貴男


ほら早く
私を殺して下さい


貴男の手で


「…貴男がキラなのを
わかっていますから」


嗚呼、こういう時
人間は涙を流すのだろう


生憎、私はそういった所では
人間という心を持ちあわせてはいないのでしょう


涙など出ないから


「…竜崎、抱かせてくれないか?」


どうして合意を
求めるのですか?


何時もみたいにして下さい


「貴男の好きな様にして下さい」


この行為に意味があるのか


彼の手が私の衣服を剥がし


器用な貴男が此処まで
焦っているのを初めて見た


「…急かさないで下さい
私は…消えたりしませんから…」


私は散って逝くのに
何故かそう口走っていた


「…時間がないんだ……」


彼はそういうと
舌先で躰を愛撫し始めた


「…っ…ん…あっ…」


生暖かい彼の舌が
冷たい私の躰を愛撫していく


「ふっ…ん…月…くん…」


彼の名を呼ぶと
涙が出てきた


愛しいと想う彼が
私を抱いて殺していくのだ


そう考え出したら
涙は止まらない


「竜崎…?」


動いていた愛撫が止まり
私の視界に入ってくる


「止めないで…下さい…」


何時もなら止まぬ愛撫が
こういう時に限って止まる


それが堪らなく嫌で


何時も以上に激しく
抱かれたかった


時間がないなら尚更


この躰に刻んで欲しい


「…っ…も…
来て下さい……」


「くっ…あっ…!
はぁ…っ…イイっ…!!」


四つん這いにされ
激しく出し入れされる
性器の擦れが余計に
躰を熱くさせる


何度イッたのか
わからない程


繰り返していた


「竜崎…っ…!竜崎…っ!」


彼が私を呼ぶ


その声は悲しい音を
発しているようで


切なかった


「ひ…!あっ…ん!
また…イク…!!」


イッたと同時に
思考が途切れた


目が覚めると
彼が泣いていた


押し殺す様な声で

私の名を呼んでいる


「…っ…」


想いが通じたのだろうか


それなのにこの結末は
哀しすぎて…


貴男は私を殺したくないのですね


それでも私は貴男に
殺されるなら本望なんです


来世、再び出会える事を
祈っていますから…



















無力な私は未練花枯らし
短命種を咲かせて


枯れ腐るマデ………










*終*


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あきゅろす。
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